神戸大が医学と工学融合の新専攻 23年度の設置計画発表 医療の新機器開発へ
2021/12/02 23:16
神戸大学=神戸市灘区六甲台町
神戸大学(神戸市灘区)は2日、大学院の医学研究科に2023年4月、医学と工学を融合した新専攻「医療創生工学専攻(仮称)」を設置する計画を発表した。医療現場のニーズに合致した新機器を開発する人材育成が目的で、来年3月にも文部科学省に設置申請するという。
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同大は医療用ロボットメーカー「メディカロイド」(神戸市中央区)と協力し、国産初の手術支援ロボット「ヒノトリ」を開発。藤澤正人学長は開発から参画しており、今年4月の学長就任時から、医学と工学を融合させた専攻設置を掲げていた。
国内の医療現場で使用される治療機器などは欧米製が大半で、年間約1兆円の輸入超過。現場の声を製品に反映できる人材の不足も深刻という。
そこで、新専攻では工学系と医学系の幅広い領域から人材を受け入れ、大学病院など現場での実習に重点を置く。医学、工学の知識のほか、コミュニケーションや起業などの力を養うことで、医療現場の課題を製品化、市場化できる人材育成を目指す。定員は博士前期課程(修士、2年)が15人、博士後期課程(博士、3年)が8人。
藤澤学長は「医療と工学のつなぎ役になれる人材を育成し、国内の医療現場の課題がスムーズに改善されるようにしたい」と話した。(古根川淳也)