「おばあさんになったやろうな。体に気を付けて待っていて」 拉致被害者パネル展で有本恵子さん父語る

2021/12/10 11:26

恵子さんへの思いを語る有本明弘さん=神戸市中央区下山手通5

 北朝鮮による拉致被害者を取り上げるパネル展開催を前に、拉致被害者の有本恵子さん=神戸市出身、失踪当時(23)=の父明弘さん(93)が9日、神戸市中央区の兵庫県警本部別館で拉致問題の解決を訴えた。 関連ニュース 恵子さんは平壌に「これで娘は帰れる」しかし… 有本さん家族の希望が怒りに変わった出来事 「KIKOKU OKURERU」 亡くなった有本嘉代子さん、37年前に娘からの電報に困惑 「娘が帰るまで元気でいたい」有本恵子さんへの思い語る生前の嘉代子さん

 パネル展は拉致問題の風化防止と情報提供を呼び掛けるため、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」(10~16日)に合わせて毎年実施。恵子さんや同市出身の拉致被害者の田中実さん=失踪当時(28)=の顔写真やプロフィルを紹介している。
 有本さんは「娘を助け出すのは親の責任。そのために動いてきた」と話し、恵子さんの写真を見つめながら「おばあさんになったやろうな。体に気を付けて待っていて」と声を掛けた。
 展示は県警本部や明石運転免許更新センター(明石市)、県庁2号館(神戸市中央区)などで10~16日、開かれる。(前川茂之)

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