体罰で懲戒免職の元教諭 取材に応じ、何度も謝罪

2021/12/15 05:00

神戸新聞NEXT

 兵庫県姫路市立城陽小学校の特別支援学級で差別的な暴言や体罰を繰り返し、懲戒免職された元教諭の男性(39)は14日までに神戸新聞社の取材に応じた。「精神的にいっぱいいっぱいだったが、周囲に相談できず抱え込んでしまった」と話し、謝罪した。 関連ニュース 暴言・体罰繰り返した教諭を懲戒免職 児童に足かけ転ばせる、別の男児には「消えろ」 特別支援学級での体罰告発メモ入手 「必死の思いで打ち明けたのに…」つづられた苦悩 「心の傷は、軽くはなっても残る」「教師も追い詰められストレスが…」 保護者が考える特別支援学級の暴言体罰

 「本当に、本当に申し訳ありません」。憔悴(しょうすい)した様子の元教諭は取材に涙声でわび、何度も頭を下げた。被害児童に直接謝罪できていないことに罪悪感があるという。
 2018年度から自閉症・情緒障害学級の担任を務めた元教諭は、周囲には「支援学級が合っている」と話した。内心では悩みを深めていたが、周囲に打ち明けられなかったという。
 元教諭は、新型コロナウイルス禍の長期休校が明けた昨年6月ごろに心身の調子を崩した。「(クラブ活動の)金管バンドと支援学級の指導がうまくいかなかった。いろんな悩みが重なった」と話す。
 市教育委員会などの聞き取りには「指導がうまくいかないときに体罰や暴言に頼ってしまった」と説明した。コロナ禍で金管バンドの活動を自粛せざるを得ず「児童が発表する場がない」と焦りが募ったという。
 元教諭は本年度に入り心身の状態が悪化。4月15~27日の13日間に6件の暴言や体罰を繰り返したとされる。6月9日に問題を起こし、学校内で騒ぎになった際、管理職と相談して病休を取る予定だった。
 現在も自宅療養中という元教諭は「前校長や現校長には伝えたが、他にも相談する機会はあった。悩みを伝えられなかった自分が悪い」と繰り返した。(井上 駿)
【リンク】特別支援学級の体罰

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