タンタンの飼育期間延長 神戸・王子動物園で1年間 オミクロン影響、中国帰国困難
2021/12/27 20:05
竹をおいしそうに食べる「タンタン」=2021年6月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
神戸市立王子動物園(同市灘区)は27日、中国への返還が決まっているジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、26歳)の飼育契約を2022年末まで1年間延長すると発表した。昨年7月でタンタンの貸与期間は終了したが、新型コロナウイルス禍で帰国のめどが立っていない。同園は飼育を続けるための契約を結んでおり、今月末が期限となっていた。
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ただ新たな契約中であっても、帰国できる状況になれば帰す可能性はあるという。人間の70代後半に相当するタンタンは今春、心臓病が発覚。検査や治療を優先するため公開を中止する日もあり、帰国は体調と相談しながらの判断となる。
タンタンは00年7月に来園。借り受け契約は2度延長され20年7月に満了、中国側の意向で更新されなかった。故郷四川省に戻る予定だったが、前後して世界的にコロナが流行。直行便運休や随行させる同園職員の入国制限もあり、園にとどまっている。
同園は飼育を継続するため中国側と20年12月末までの契約を結んだが、コロナが収束せず、さらに1年間延ばしていた。今回も変異株「オミクロン株」の出現や病状も考慮して早期の帰国は困難として、来年末まで飼育期間を1年間延ばした。
会見した加古裕二郎園長は病状について「劇的に良くはなっていないが治療の努力で維持に努めている」と説明。たまった体液を針で抜いたり、屋内の酸素濃度を高めたりしているという。(初鹿野俊)
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