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タンタンの飼育延長や病状について会見する王子動物園の加古裕二郎園長(右)と竹原孝弘副園長=27日午後、神戸市役所
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タンタンの飼育延長や病状について会見する王子動物園の加古裕二郎園長(右)と竹原孝弘副園長=27日午後、神戸市役所
元気な姿を見せるジャイアントパンダの「タンタン」=2021年2月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
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元気な姿を見せるジャイアントパンダの「タンタン」=2021年2月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
えさを食べるジャイアントパンダの「タンタン」=2020年6月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
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えさを食べるジャイアントパンダの「タンタン」=2020年6月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
柔らかな陽光を浴びるジャイアントパンダの「タンタン」=2020年12月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
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柔らかな陽光を浴びるジャイアントパンダの「タンタン」=2020年12月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
竹をおいしそうに食べる「タンタン」=2021年6月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園
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竹をおいしそうに食べる「タンタン」=2021年6月、神戸市灘区王子町3、同市立王子動物園

 神戸市立王子動物園は27日、中国への帰国が決まっているジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、26歳)の飼育期間の1年間延長を発表。会見した加古裕二郎園長と竹原孝弘副園長は心臓病が判明しているタンタンの体調や治療について説明した。会見での主なやりとりは次の通り。(まとめ・初鹿野俊)

 -延長はコロナと病状のどちらの理由か。

 加古園長「病状の推移を見る時間が必要だということで、その期間で最終的に合意した。(昨年7、12月に飼育期間を延長した)過去2回と同じようにコロナの状況と、新たに病状の観察が加わり、総合的に判断した」

 -病状は安定しているのか。

 園長「現状はそうですね。すぐにどうこうということはないが、観覧はタンタンの体調を第一に制限を掛けている(午前11時~午後1時受け付け分のみ)」

 -腹部から水分を抜く治療とは。

 竹原副園長「専門の器具で、タンタンが痛くないように腹部の毛を剃(そ)って皮膚で針を刺す。表面麻酔、局所麻酔をして、たまった水分を体外に出す。3~7キロの体液を抜く」

 「薬の状況、効果を見ながら必要に応じて。8月中旬以降、体液が貯留してきており専門家の意見を踏まえて」

 園長「無理のない範囲で、日中双方の専門家の助言を受けながらやっている」

 -寝室の酸素濃度を高めるのはどうやって。

 副園長「酸素供給装置を寝室に置き、観覧室との間の扉を開け、(両方の部屋で)高めている」

 -タンタンの様子は。

 副園長「体力の衰えはあるが全力で治療し、体調の維持に努めている。休息時間が増え、食欲がちょっと衰えている状況」

 -夏場も運動が減り、寝ている時間が増えているとのことだった。

 副園長「当時と同じような感じ」

 園長「高齢化に伴った症状が考えられる。劇的に良くなることはないのかもしれないが、何とか治療の努力によって体調維持に努めてきている」

 -公開をやめていた時期は。

 副園長「10月21、22日と、11月22日~12月13日の計2回、観覧を中止にした。いずれも健康管理のためで、健康が悪化したわけではない」

 -帰国できないのは、四川行き直行便が飛ばないからか。

 園長「タンタンの体に負担が少ないのが直行便というのは間違いない。今も入国制限があり、飼育員や獣医師ら一緒について行く職員が渡航できないという理由もある」

 -体調が良ければ、直行便でなくてもいいのか。

 園長「直行便以外の方法を検討しているわけではない」

 -1年間の延長について中国側の意見は。

 園長「タンタンの体調はわれわれが日々見ている。状況は情報共有して、専門家にその辺のデータとか、状況を細かく評価してもらっている。日中で見解が違うことはない」

 -延長についての率直な思いは。

 園長「来年も神戸でお正月を迎えてくれることは、多くのファンの方もそうだと思うが、良かったなと思う。あとは少しでも回復して、穏やかに過ごしてくれればなと」

 -タンタンの具体的な様子は。

 副園長「運動量は、元気な時は1日16時間動いているが、ここ最近は3~5時間ぐらい。食欲は低下しており、通常10~15キロ食べていたのが、2キロぐらいになっている。餌は通常と同じ竹やタケノコ」

 -タンタンファンに伝えたいことは。

 園長「日中双方の専門家の方に助言をいただきながら全力で治療に当たっていくので、引き続き温かく見守ってほしい」

 -1年後も病状が芳しくなければ、再延長も検討するか。

 園長「今後の病状の推移を見ていく必要があるということで今回は延長する。コロナの状況も勘案しながら中国側と協議をしていく」

 -今コロナが収束し、直行便が飛べることになったとしたら体調は耐えられるのか。

 園長「今の段階では、そのときにタンタンの体調がどうかとしか申し上げようがない。体調次第というか、それをこれからも中国側と密に情報共有して、推移を観察するということに尽きる」

 -中国側に新たなつがいを求める交渉の状況は。

 園長「神戸市の方からは引き続き雌雄一対をお願いしている。引き続き日中共同飼育繁殖研究に取り組みたいとお願いしていく」

 -中国側の反応は

 園長「確たる返答はない」

 -タンタンの体重は。

 副園長「健康時は80キロだが、心不全の兆候ですけども、6月下旬から徐々に体内に体液が増加してきて、今は105~115キロ。115キロが目安で、そこを超えないように腹水を抜いて体調管理している」

 副園長「コロナで入国できない状況だが、中国ジャイアントパンダ保護研究センターから獣医師と飼育員が来日する予定になっている。コロナの入国できる条件が整えば、すぐに来られる体制は整えている。一緒に現場で日中双方で治療に当たる予定にしている」

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