阪神・淡路大震災の死者数6434人のまま 20年に宝塚で認定の関連死、計上見送り

2022/01/07 20:53

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 阪神・淡路大震災の死者数を巡り、兵庫県宝塚市が2020年10月に関連死として認定した1人について、兵庫県は震災の犠牲者として計上しないことを決めた。兵庫県と大阪、京都府で計6434人とされてきた死者数が16年ぶりに見直される可能性があったが、国から「死者数修正の必要はない」との考えが示されたため県は従った。 関連ニュース 災害関連死、基準にばらつき 阪神・淡路大震災で認定始まる 事例非公表、教訓化の壁に 相武紗季さんが24年前被災し、今実践していること「どの部屋でも家族守れるように」 「追悼の集い」遺族代表 断るつもりだったが「母はきっと…」 震災25年

 宝塚市は、新たに関連死として認定した死者の性別や年齢、死因などを明らかにしていない。
 同市によると、20年6月に遺族から災害弔慰金の支給申請があり、市は医師らでつくる市の審査委員会の答申を受けて同10月に関連死と認定した。さらに21年1月、市内の死者を118人から119人に変更することを県に報告した。
 兵庫県は、死者6434人という確定報を06年5月に公表した総務省消防庁と協議。21年3月、同庁から「直ちには確定報の訂正は行わない」と伝えられ、「国と考え方をそろえるのが妥当」と判断して計上しないことを決めた。
 県は「国の数字と相違があってはならない」と説明。今後について「死者数が見直される可能性がないとは言えない。国の対応に合わせる」とした。
 一方、県が計上する市町別死者は各市町が公表している数字と必ずしも一致しておらず、宝塚市の死者数も県は117人と発表。同市は「死者数について県と認識に違いがあっても実務上の問題は生じていない」としている。(西尾和高)

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