「希望の灯り」各地へ 火を通して「阪神・淡路」の記憶、教訓継承 神戸で分灯式

2022/01/08 22:00

「1・17希望の灯り」から火を移す参加者ら=8日午後、神戸市中央区加納町6(撮影・小林良多)

 阪神・淡路大震災の犠牲者を悼むガス灯「1・17希望の灯り」の分灯式が8日、神戸市中央区の東遊園地で始まった。発生から27年を迎える17日に各地で開かれる追悼行事などで、記憶と教訓の継承に役立てる。 関連ニュース 被災電車の扉、色あせず マルーンカラー今も 阪神・淡路大震災 震災犠牲者への思い込め 中高生らが1・17竹灯籠作り 家屋に迫る炎、息絶えた人々…リポーターが見た1・17「俺が語らねば」 神戸で朗読劇上演へ

 中学校など10団体の約40人が参加した。NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り(HANDS)」の藤本真一代表理事(37)が「火を保ち続けることで震災を風化させない。それが次の災害への備えになる」と説明。参加者らが持参したらんたんに火を移した。
 震災を学ぶ学校の集会で使うという加古川市立氷丘中の生徒会長、糀谷優さん(14)は「私たちにとって震災は歴史上のことだけど、火を見ることで身近に起きた出来事と実感した」と話した。
 希望の灯りは2000年、全国のボランティアたちから火を集めてともされ、分灯は01年から続く。今年は県内外の約30団体から申し込みがあり、5回にわたって分ける。(堀内達成)

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