国宝守る 姫路城で消防訓練 26日「文化財防火デー」

2022/01/26 12:15

姫路城で行われた消防訓練。水のアーチが大天守前で交差した=26日午前、姫路市本町(撮影・大山伸一郎)

 世界文化遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市本町)で26日、「文化財防火デー」にちなんだ消防訓練があった。姫路市消防局や姫路城管理事務所から約50人が参加し、大天守への放水や観光客の避難誘導の手順を確認した。 関連ニュース 【写真】広場に備えられた放水砲などで一斉に放水する消防隊員 自衛隊員が「城壁から転落」重傷か 姫路城年末の風物詩「すす払い」 姫路城門跡の石垣で落石 重さ数十キロ、高さ3m付近から抜け落ちる

 文化財防火デーは、1949年に奈良県斑鳩町の法隆寺金堂であった火災により貴重な仏教壁画が焼失したことを受け、55年に制定された。
 姫路城では毎年この日に合わせて訓練を続けており、今回は大天守3階からの出火を想定して実施した。火災報知機の作動を告げるサイレンが鳴り響くと、消防隊員は天守閣下の広場「備前丸」に備えられた放水砲などで一斉に放水。避難誘導の職員が「落ち着いて指示に従ってください」と観光客らに声を掛ける手順を確認した。
 新型コロナウイルスの影響で、昨年に続いて規模は縮小した。市消防局の柏原浩明局長(60)は「姫路城は市民にとって心の支え。一番大事なのは火災を起こさないこと」と防火の重要性を語った。(森下陽介)

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