値上げの電気代、兵庫県が支払い拒否し裁判に 敗訴して和解、9千万円支払いで決着

2022/03/08 17:16

兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県は、電気料金約1億2500万円の支払いを巡って係争中だった電力小売会社に、9千万円を支払うことで和解した。契約途中の電気料金の値上げに反発して支払いを拒否していたが、会社側が提訴した一審神戸地裁で敗訴。大阪高裁の和解案を受け入れた。 関連ニュース 高額の電気料金、おかしい… 調べたら、屋外コンセントに延長コードが レトロな“トタン製”湯たんぽ人気 背景にキャンプブーム、エコでも注目 電気代の一部で社会貢献「エネファン」 教育、スポーツなど寄付先約150団体 「少額でも継続的にできるのが利点」

 和解は7日付。県によると、電力小売会社「エフパワー」(東京=会社更生手続き中)と2017年4月までに、県庁本庁舎など75施設で電気の需給契約を結んだ。割安な電気代を見込んでいたが、関西電力が同年8月に電気代の算定に影響する「燃料費調整額」を引き上げたところ、電気代が月々1500万円前後値上がりしたという。
 これを不服とした県は契約満了となる18年3月までの間、値上げ分の約1億2500万円の支払いを拒否。エフ社側は同年6月、支払いを求めて提訴した。
 エフ社側は「燃料費調整額の算定方法は契約書などで定めている」と主張。県側は同意がない見直しに異議を唱えたが、20年3月の一審判決は「契約内容から燃料費調整額の変更は想定できた」などと県側の全面敗訴を言い渡した。
 県側は控訴していたが、「判決よりも和解を受け入れたほうがいい」と判断した。担当者は「想定外の値上げが発生しないよう、契約の在り方は見直した」と話している。
(金 旻革)

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