豊かな海は持続可能な漁業から 海底耕耘の動画で大臣賞受賞、明石浦漁協組合長が都内で講演

2022/03/10 05:30

豊かな海への思いを語る戎本裕明組合長=東京都千代田区

 食や農林水産業に関し、持続可能な取り組みの動画を対象とする「サステナアワード2021 伝えたい日本の“サステナブル”」で農林水産大臣賞を受賞した明石浦漁協(兵庫県明石市)の戎本(えびすもと)裕明組合長が9日、東京都内で講演した。「豊かな海を目指し、サステナブル(持続可能)な取り組みを盛り上げて発信していきたい」と思いを語った。 関連ニュース 但馬地域の漁師の味で優勝目指す 「地域の課題魚」で缶詰づくり競う全国大会、香住高生が決勝へ 【サンマ豊漁】秋の味覚、今年は手頃に 資源低迷、先行き不透明 サンマ豊漁、水揚げ昨年比2倍超 大ぶり価格3割安、取れ過ぎ休止

 日経SDGsフォーラム「消費者共創シンポジウム」の中で登壇。会場とオンラインで開催され、約1200人が耳を傾けた。
 受賞動画「『豊かな海へ』海底耕耘(こううん)プロジェクト」の上映後、戎本組合長が明石のまちや海、漁協の特徴を紹介。100種類超の魚介類が取れる恵まれた漁場だが、近年は栄養不足により、ノリの色落ちや漁獲量の減少などの影響が出ている現状を伝えた。
 「きれいな海から豊かな海へ」と目指す姿を示し、海底耕耘のほか、農業者と連携してため池の水を海に流す「かいぼり」などを実施していることを説明。「栄養塩を海中に取り戻す挑戦を、海の恵みを享受する多くの人々に知ってもらいたい」と訴えた。
 同シンポでは、持続可能な生産消費をテーマにしたパネル討議、消費者志向経営の本質に迫ることを考えるトークセッションなどもあった。(金山成美)

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