38人、タカラジェンヌへ一歩 宝塚音楽学校で卒業式

2022/03/14 19:50

答辞を読む卒業生総代の岩永佳那子さん=宝塚市栄町1(宝塚音楽学校提供)

 宝塚音楽学校第108期生の卒業式が14日、宝塚バウホール(兵庫県宝塚市栄町1)で開かれた。兵庫県内出身の柏木梓さん(西宮市)と●山凜香さん(神戸市)を含む38人が紋付きはかま姿で出席。新型コロナウイルス禍の中で2年間、歌や踊りなどのレッスンに励んだ学校生活の思い出を胸に刻み、ジェンヌとして新たな一歩を踏み出した。 関連ニュース タカラヅカ観劇中に心肺停止 大劇場職員ら命救う 「少女たちの夢を叶えたい」宝塚OG・仙堂花歩さん率いる「すみれ少女歌劇団」オーディションを開催 工事現場の溝から保護された子猫は、タカラヅカの男役のように「超イケメン」 猫好き夫婦のハートを奪う

 第108期生は2020年春、競争倍率約21倍の難関を突破。コロナ禍で学校が臨時休校となり、入学式は6月に延期された。
 3月15日に歌劇団へ入団し、4月23日から宝塚大劇場で始まる星組公演で初舞台に臨む。卒業生総代の岩永佳那子さん=東京都出身=は「踊り、歌、どんな芸事に対しても常に芝居心を忘れない。内面が豊かな舞台人になる」と誓った。
 予科生が卒業生にブーケを贈るセレモニーは3年連続で中止されたほか、保護者や報道関係者の入場を規制して開いたが、会場は希望に胸を膨らませる卒業生たちの笑顔で彩られた。
 堺市出身の山本菜南子さんは「行事がなくなるなど日々大変なこともたくさんあったが、先生の温かい指導と同期との絆で有意義な学校生活を送ることができた」と振り返った。
 一番の思い出は「予科生の時の文化祭で、同期全員でコーラスを歌ったこと」とし「舞台の上で輝けるよう、これからも努力し続ける」と決意した。
 広島市出身の岡原ゆづきさんは歌劇を初めて鑑賞したとき、その華やかさに魅了され、タカラジェンヌを目指したという。娘役としての立ち振る舞い、心の奥に響く歌唱の素晴らしさから元月組の彩乃かなみさんと花組の音くり寿さんにあこがれる。「舞台から夢と希望を届けられるように頑張りたい」と力を込めた。
 名古屋市出身の岡村美佑さんは「一日一日が決して当たり前ではないと感じた1年だった。毎日稽古できて感謝の気持ちでいっぱい。花組の星風まどかさんのように活躍したい」とした。(西尾和高)
●は高の異体字(梯子高)

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