地球の未来を守る感性育んで 図書館「こども本の森 神戸」が開館 式典に安藤忠雄さん、竹下景子さん
2022/03/25 13:37
子どもたちと記念写真に納まる寄贈者の安藤忠雄さん(後列右から3人目)、名誉館長の竹下景子さん(同5人目)=25日午前、神戸市中央区加納町6、「こども本の森 神戸」(撮影・鈴木雅之)
建築家の安藤忠雄さんが手掛け、兵庫県の神戸市に寄贈した図書館「こども本の森 神戸」が25日、神戸・三宮の東遊園地に開館した。館内は明るい陽光が降り注ぎ、壁一面に絵本や児童文学書などがずらり。訪れた子どもたちは早速、お気に入りの一冊を手に取って自由に読書を楽しんでいた。
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同図書館は、阪神・淡路大震災の復興事業に携わるなど、神戸に思い入れが強い安藤さんが市に寄贈を提案して実現した。名誉館長には、詩の朗読を通じて震災の記憶の継承に取り組んできた俳優、竹下景子さんが就任。市が館内に並べる本や運営資金の協力を募ったところ、市民や企業、団体から約2万冊、寄付金も目標を超える1億5千万円超が寄せられたという。
建物は2階建てで、延べ床面積約570平方メートル。当初の蔵書は約1万8千冊で、将来的に2万5千冊まで増やす予定。本は借りられないが、屋外のウッドデッキや東遊園地内に持ち出して読めるのが特徴だ。
開館式では、安藤さんが「永遠の青春を象徴している」と語る青リンゴのオブジェを手に記念撮影。久元喜造市長が「子どもたちにいろんなジャンルの本に親しんでもらい、豊かな感性を育んでほしい」とあいさつ。安藤さんは「読書を通じて世界に目を向け、地球のことを考える子どもたちが育ってくれれば」と話し、竹下さんは「この場所で好きな本と出合ってほしい。(名誉館長として)子どもたちの未来にささやかでも貢献できればと思う」と語った。
入館無料。午前9時半~午後5時。月曜休館。公式サイトで予約(抽選)が必要。(三島大一郎)