祈りよ祖国に届け ウクライナ民族楽器奏者 青と黄色の光の中、平和願う音響かせる
2022/04/08 22:05
ウクライナ国旗の色に染まった会場で、平和を祈る音色を響かせるカテリーナ・グジーさん=8日夜、姫路城(撮影・大山伸一郎)
ウクライナに伝わる弦楽器バンドゥーラの演奏家、カテリーナ・グジーさん(36)=東京都=のステージが8日、世界文化遺産・国宝姫路城の西の丸庭園であった。ロシアによる祖国の侵攻停止を願い、ウクライナ国旗の青と黄色に照射された会場で、繊細な音色と歌声を響かせた。
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カテリーナさんは、チェルノブイリから約2・5キロのプリピャチで生まれ、生後30日で原発事故の被害に遭った。首都キーウ(キエフ)に移って、被災した子どもたちの音楽団に6歳で入り、19歳のころ活動拠点を日本に移した。
演奏会には、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使らが出席した。カテリーナさんは、母国に古くから伝わる曲や、日本の「翼をください」など計5曲を演奏し、夜桜会に訪れた人たちが足を止めて耳を傾けた。
「『悲しみのない自由な空へ翼はためかせ』という歌詞は、私の心の叫び」と心境を明かし「一刻も早くウクライナが平和になってほしい」と話した。(安藤真子)