関電管内12発電所で稼働 三菱電機、検査不正の変圧器 高浜など3原発、JR西施設でも
2022/04/22 20:19
関西電力赤穂発電所=赤穂市加里屋
三菱電機による変圧器の検査不正問題で、不正が行われた変圧器が関西電力の原子力や火力など12発電所で約30台が稼働していることが22日、分かった。JR西日本も27台を使用。いずれの施設でも不具合などは出ておらず、関西電力は「直ちに問題はないと考えている」としている。
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関西電力によると、問題の変圧器がある原発は、高浜、美浜、大飯の3カ所(いずれも福井県)で計12台が稼働。火力では姫路第1、姫路第2、赤穂の兵庫県内3カ所を含む6発電所で最大18台、水力3発電所でも3台を使う。三菱電機から21日に連絡があったという。
関西電力によると、変圧器を含む各設備は随時点検し、複数のバックアップ機能があるため安全性に問題はないとする。事業者が規格を満たさない変圧器を使うと電気事業法に抵触する恐れもあるが「三菱電機から詳細な報告を受け次第、適切に対応する」としている。
一方、JR西では変電施設などで計27台が稼働。近畿圏が中心という。神戸市営地下鉄にも複数あるが、三菱電機からいずれも不正の対象外と連絡があったという。阪急電鉄、山陽電鉄、ポートライナーと六甲ライナーを運転する神戸新交通は別メーカーの変圧器を使用している。
三菱電機では昨年6月以降、鉄道車両用空調機器の検査不正が発覚し、翌7月に外部調査委員会が発足。問題の変圧器は系統変電システム製作所赤穂工場(赤穂市)で製造し、1982年から今年3月まで計3384台を出荷していた。同社は顧客を明らかにしていない。(大盛周平)