兵庫から「NO WAR」~私たちにできることは【2】差別、絶対に認めない
2022/05/04 18:00
ロシア市民や日本で暮らす出身者らのために何ができるかについて、「テキストマイニング」を活用して分析した。人工知能(AI)技術で言葉の使用頻度、傾向、特徴などの有用な情報を取り出したところ、「プーチン(大統領)」という単語が最も強く出た
ウクライナ侵攻に伴い、経済制裁や厳しい情報統制などによって、ロシアの一般市民も影響を受けています。日本で暮らすロシア出身者に対しても、差別的な事例が問題になりました。神戸新聞社の双方向型報道「スクープラボ」では4月下旬、ロシアの人々へのメッセージも募集しました。472人から寄せられた回答で目立ったのは、プーチン大統領の強硬的な姿勢と一般市民への対応を切り分けて考えるべきだとの意見でした。
関連ニュース
兵庫から「NO WAR」~私たちにできることは【1】募金、連帯…にじむ無力感
兵庫から「NO WAR」~平和へのメッセージ【1】子どもたちの涙が悲しい
兵庫から「NO WAR」~平和へのメッセージ【2】巻き添えになるのはいつも市民
差別を認めない
◆ロシア人を差別しないこと。政治の問題であり、個人に責任があるわけではないし、ウクライナ人ではない私たちに裁く権利はあるのか? 一方的な正義感は残酷な場合もある。正義感とか、嫌悪感でロシア人を非難する人は、自らがプーチン大統領になっていないか考えるべきだ。そんな考えが戦争を引き起こしたのではないのか?(40代女性)
◆ロシア人だからと、日本国内のロシア人を差別したり、いたずらに非難したりは絶対してはいけない。むしろ、ロシアやロシア語を勉強・研究している人たちを応援すべきです。でも、ロシア国内ではかなり「大本営発表」が信じられているみたいだし、検閲も厳しく、反プーチン大統領の内容のメールも、身辺安全のために送信できないと聞きました。プーチン政権と、一般のロシア国民、在外ロシア人は、区別して考えなければならないですね(60代女性)
◆在日ロシア人が経営する商店が近所にあります。今度買い物に行こうと思います。ロシア国民もある意味で被害者です。プロパガンダを信じ、プーチン大統領を支持する方もある意味で被害者です。私はロシアの侵攻は全く支持しませんが、その立場でも話し合えることがあると思います(40代女性)
できることが…
◆市民が犠牲になっているウクライナ侵攻を早く止めてもらうには、ロシア兵として徴兵されている息子たちの母親に訴えるのが大事だと思っています。もし日本国内で戦争が起きれば、息子や婿さんが駆り出されることになるのだと思うと、心が痛みます。現状をどうやって伝えられるのか…(60代女性)
◆気の毒だけど何もない。早く戦争を終わらせ、「ウクライナに攻め込まなかったら良かった」と思わせないといけないから。成功感覚が残ると、また繰り返す。厳しさに音を上げて、ロシア国内からアクションが起きない限り、戦争は続くと考えている(50代女性)
◆ロシア人に非はない。何なら「被害者」と思っていた。しかし、ウクライナの子どもや女性、老人など一般人が犠牲になり、大勢の死者を見ると、その1発を撃ったのはプーチン大統領ではない。ロシアにいるロシア人、日本にいるロシア人に「プーチン大統領をどうにかしてください」としか言えない(50代女性)
メディアへの注文
◆ロシアの一般人や日本国内のロシア出身者に、いわゆる西側の価値観を押し付けても、反発、対立を生む可能性が高い。このような時こそ、落ち着いて冷静になるべき。良識のあるメディアなら情緒的な報道は慎んでほしいです(50代男性)
◆ウクライナが被害者、ロシアが加害者という観念対立は間違っていると、芸能人とか影響力のある人に伝えてほしい。戦争の無意味さも。私の子どもは「ウクライナがロシアに攻撃されている=ロシア人はみんな悪者」と思っています。権力によって抑圧された人々の選択の余地のない暮らしに想像をはせるようなメッセージを、ニュースや情報番組のコメンテーターにはちゃんと言ってほしいです(40代女性)
ひとくくりにしない
◆ロシア人を「敵性民」だと思わないこと。そしてウクライナ人だからと言って「友邦民」だと特別扱いしないこと。わが国と違い、世界では個人の国籍、言語、民族、文化、宗教、政治思想など、それぞれが別の独立したファクターです。それを認識し「ロシアで暮らす一般の人々」「ロシア出身者」とひとくくりにしてしまわないことが大切です。そして耳目に触れる報道や言論をうのみにしないで接することだと思います(50代男性)
◆ウクライナもロシアも国民が犠牲になってる。どっちがとかじゃない。経済制裁は戦争を長引かせるだけで、日本をはじめヨーロッパ諸国も衰退していく(50代女性)