「北朝鮮と強く向き合って」有本さん、バイデン大統領に訴え 都内で拉致家族が面会

2022/05/23 20:15

バイデン米大統領との面会について語る有本明弘さん(中央)ら=23日午後、東京都内

 北朝鮮による拉致被害者の家族は23日、来日中のバイデン米大統領と東京都内で面会し、その後記者会見を開いた。神戸市出身の被害者、有本恵子さん=失踪当時(23)=の父明弘さん(93)ら8家族11人が出席し、改めて早期解決を訴えた。 関連ニュース 「娘が帰るまで元気でいたい」有本恵子さんへの思い語る生前の嘉代子さん 娘の救出求め奔走 「恵子を抱きしめたい」願いかなわず 恵子さんは平壌に「これで娘は帰れる」しかし… 有本さん家族の希望が怒りに変わった出来事

 拉致被害者の家族が米大統領と面会するのは2019年のトランプ前大統領以来5回目で、バイデン大統領で4人目。
 面会は約30分間で、岸田文雄首相も同席。当初は新潟市で拉致された横田めぐみさん=同(13)=の弟で、家族会代表の拓也さん(53)があいさつをする予定だったが、大統領が一人一人から話を聞き、握手を交わしたという。明弘さんやめぐみさんの母早紀江さん(86)の前でひざまずく場面もあった。
 拓也さんは会見で「想定外の心温かい行為に涙が止まらなかった。今日の面会は北朝鮮へのプレッシャーになる」。早紀江さんは「子どもは親の宝物。必ず取り返したいとお願いした」とし、「『あなた方の気持ちはよくわかる、同じ気持ちです』と言われた」と感謝した。
 また、明弘さんや拓也さんらは手紙を渡したという。明弘さんは「北朝鮮と強く向き合ってほしい」などと書いたといい、「力強く握手した」と振り返った。
(末永陽子)

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