兵庫県が「ヤングケアラー」専門の相談窓口を開設 当事者を支援機関につなぐ

2022/06/01 17:45

専門相談窓口の看板を掲げる斎藤元彦知事(左)と谷口弘会長=神戸市中央区坂口通2

 病気や障害のある家族を若くして世話する「ヤングケアラー」を支援するため、兵庫県は1日、専門の相談窓口を神戸市中央区に開設した。県社会福祉士会に委託し、実態がつかみにくい当事者の把握を進め、支援機関につなぐことを目指す。 関連ニュース 「ヤングケアラー」相談150件 神戸市、無料でヘルパー派遣へ 孤立するヤングケアラー「少しでも負担を和らげたい」 国や自治体が支援に本腰 32歳で仕事辞め、認知症の祖母と脳梗塞の母介護 「ヤングケアラー」自らの体験発信

 18歳未満は「ヤングケアラー」、18歳からおおむね30代前半までが「若者ケアラー」とされる。国は昨年4月、中高校生の約20人に1人が「世話をする家族がいる」とした調査結果を初めて公表し、支援の必要性を示した。
 県は昨年秋に学識者や福祉関係者らでつくる委員会を設置し、支援の在り方や推進方法を検討。この議論を受けて設置が決まった専門相談窓口では電話やメール、無料通信アプリLINE(ライン)で対応する。
 当事者の悩みや不安に社会福祉士が耳を傾け、地域包括支援センターや基幹相談支援センターなど必要な支援機関を紹介することを想定。ただ、ケアラー自身が自らの境遇に気付いていない可能性があり、周囲の家族や教師らからの相談、情報提供も受け付ける。
 同日は、同市中央区の県福祉センターにある県社会福祉士会の事務所前で開所式が行われ、斎藤元彦知事と同会の谷口弘会長が看板を掲げた。斎藤知事は「相談によって状況が改善する可能性がある。一人で抱え込まないでほしい」と呼びかけ、谷口会長は「周りにいる大人の気付きは重要。少しでもおかしいと感じたら連絡してもらいたい」と話した。
 相談対応は平日午前9時半~午後4時半。受け付けはTEL078・894・3989、メールはyc@hacsw.or.jp、LINEは「兵庫県ヤングケアラー若者ケアラー相談窓口」から。
(金 旻革)

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