久々のビアガーデン、談笑楽しむ 神戸の飲食店で人数や時間の制限解除

2022/06/01 21:10

「アジアン夜市」がテーマのビアガーデンで、夕涼みしながら、ビールや料理を楽しむ人たち=1日夜、神戸市中央区明石町、大丸神戸店「旧居留地ビアガーデン」(撮影・長嶺麻子)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、兵庫県が飲食店に協力を要請してきた「同一テーブル4人以下」などの人数制限が1日、解除された。2時間程度以内とされた時間制限も解除となり、久しぶりに人数や時間を気にせず飲食を楽しめるとあって、ビアガーデンでは初日から5人以上のグループ客も。とはいえ感染対策を怠ることはできず、大人数での宴席をためらう声もあり、居酒屋の店主からは「本当に客が戻ってくるのか」と不安が聞かれた。(高田康夫、領五菜月) 関連ニュース どうして、みんな「とりあえずビール」なの? “日本文化”の起源を解明すべく、酒類小売り業者が調査 「中生」「生中」ビール中ジョッキ なんて呼びますか? 選手も来店、三田の球団「ブレイバーズ」が居酒屋開業 ファン語らう場目指す 収益を運営資金に

 神戸・元町の大丸神戸店にある「旧居留地ビアガーデン」には1日、夕方からグループ客が続々と訪れ、夕涼みしながらのビールを楽しんでいた。
 大丸神戸店でビアガーデンが営業されるのは、ほぼ3年ぶり。密になりにくい屋外で、テーブル間隔を広く取り、トング類をこまめに消毒・交換するなど、感染対策を施しながらビュッフェ形式の料理を提供している。
 「外でビールを飲むのは最高」と、職場の4人で訪れた男性会社員(34)。これまでは会社のルールで4人以内でしか飲みに行けなかったが、県の要請解除に合わせて6月からは8人までに緩和されたという。ただ「大人数で行ってみんな感染すると仕事が回らなくなるので、同じ職場ではまだ無理かなあ」。
 人数制限の要請解除を知り、5人グループで訪れた男性会社員(51)は「これまで会社のメンバーで行きづらかった。みんなで飲んで、ばかな話をしてというコロナ前の日常が戻ってほしい」と話した。
 1日の神戸・三宮の繁華街。要請が解除されても、夜の街を歩いているのは少人数のグループが多かった。
 コロナ前は、会社の宴会や接待で利用する客が多く訪れた居酒屋「さけやしろ(酒社)」。店主の植森英知さん(52)は「お客さんは少しずつ増えているが、2次会で利用する人が減った」とこぼす。
 県は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間中などに、飲食店に休業や営業時間短縮を要請すると同時に協力金を支給していた。しかし重点措置が解除された3月下旬以降、協力金は出ず、客足が戻らないと店の経営は厳しくなる。
 植森さんは「人数制限が解除されても、会社の指針や、飲みに行きにくい空気が変わらなければ、手放しで喜べない。解除が、外食を楽しめる雰囲気に戻るきっかけになれば」と願う。
 県は1日以降も、飲食以外の会話時のマスク着用や密の回避など感染対策の徹底は要請している。

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