17年前の小5男児暴行 神戸市教委、いじめ聞き取り文書の存在認める

2022/06/22 19:45

神戸市教育委員会=神戸市中央区東川崎町1

 17年前、神戸市立小学校で当時5年の男子児童が同級生から日常的に暴力を受け、現金を取られた問題で、神戸市教育委員会はこれまで「ない」としていた被害者本人への聞き取り文書の存在を認め、第三者による調査委員会に提出していることを明らかにした。 関連ニュース 阪神本線、全33駅にエレベーター 最後の住吉駅でバリアフリー化 新たな改札口を設置、多機能トイレも 神戸・布引ハーブ園に「癒しの森」誕生 8月31日までの期間限定 植物とランプで幻想的に 国際学術組織「ドコモモ」、神戸港・Q2上屋を選定建築物に 戦前の姿とどめ、近代化物語る施設と評価

 被害者の父親によると、2005、06年、児童は複数の同級生から暴力を受け、7人に約50万円を取られるなどして転校を余儀なくされた。07年、同級生3人の保護者に損害賠償を求めて提訴し、一、二審ともいじめ行為が認定された。20年11月からは市教委が設置した第三者委員会が調査を進めている。
 市教委側は「裁判で事実認定された以上、いじめに該当する可能性は極めて高い」としつつ、「保護者の意向で被害者本人から十分な聞き取りができていなかった」と主張。聞き取り文書はないとしていたが、20日の市会教育こども委員会で市議の質問に答える形で存在を認めた。
 文書は、小学校が複数回にわたって男児から聞き取っていたことを示す内容といい、質問した市議は「文書は1枚や2枚ではなく束になっている。ガバナンス的にも問題だ」と批判。長田淳教育長は「当時の職員にも聞き取りし、改めて調べたい」と述べた。(綱嶋葉名)

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