暑かった6月 猛暑日17回、史上最速の梅雨明けが影響 17年前にも…
2022/07/04 17:40
厳しい暑さに見舞われた今年の6月。28日には、近畿地方で観測史上最も早い梅雨明けが発表された=神戸市中央区
体感的にも統計的にも、とにかく暑かった6月。兵庫県内20カ所の観測地点のうち、半数で6月の史上最高気温を更新し、最高気温30度以上の真夏日の観測は計160回に上った。記録ずくめの1カ月ではあったものの、気象庁のデータをさかのぼってみると、「過去最高の暑さ」とは言い切れないようだ。
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☀☀猛暑日17回☀☀
気象庁が公表する日ごとの統計を神戸新聞社が集計。今年6月と、2002~21年の過去20年分の6月について、真夏日と最高気温のデータを比較した。
今年6月の最高気温の平均は、全20地点で平年値以上だった。過去20年で計20回だった猛暑日(35度以上)は、今年だけで17回を数え、豊岡では6月の観測史上最長となる7日間連続を記録した。
真夏日の数も18地点で平均を上回り、合計は160回となった。過去20年の平均67・7回と比べると際立つが、この間に一度だけ、今年を超えた年がある。
☀☀2005年☀☀
近畿地方で今年より3日早い6月11日に梅雨入りした05年。4月に尼崎JR脱線事故があり、9月には「郵政選挙」が実施された年だ。
この年の6月は太平洋高気圧の勢力が弱く、前線が南の海上に停滞したため、1カ月を通して少雨と暑さに見舞われた。猛暑日こそ計6回にとどまったものの、真夏日は計171回を数え、最高気温の平均も、16地点で今年を上回る。
福崎では、05年6月の真夏日の数が県内最多の19回に上り、最高気温の平均は30・2度。フェーン現象などで気温が上がりやすい日本海側に対し、内陸部で海風が少ないためとみられる。福崎は知る人ぞ知る「兵庫で最も暑い地点」で、最高気温の平年値は、6月に加え、7月(31・5度)と8月(33・2度)も県内で最も高い。
☀☀今後の暑さは☀☀
「梅雨明け十日」。神戸地方気象台によれば、今年6月の暑さは、この言葉で一定の説明がつくそうだ。
梅雨が明けてから10日ほどは晴天に恵まれ、気温が上がる-という意味。今年は近畿地方で史上初めて6月中に梅雨明けしたため、例年なら7月にくる暑さを「先取り」した格好になったという。実際に、県内の気温は中旬まで際立って高くなく、6月の観測史上最高は、梅雨が明けた28日以降に集中している。
一方、7月以降の暑さについて、気象台の担当者は「6月とは切り離して考えるもの」と説明する。05年も、7、8月は平年並みの気温で推移しており、6月が暑ければ、その後も暑いというわけではないようだ。
ただ、現状の3カ月予報(7~9月)では、降水量は一定見込めるものの、気温は平年より高くなる見通しで、猛暑の夏となる可能性もあるという。
(小川 晶)