<参院選ポイント解説>タレント候補なぜ多い?

2022/07/08 16:35

国会議事堂(資料写真)=東京都千代田区永田町1

 参院選は芸能人、スポーツ選手など知名度の高いいわゆる「タレント候補」が多いとされます。今回も立候補者一覧を見てみると、元アイドル、作家、俳優などテレビで見たことのある人がそれなりに。 関連ニュース 「私の当選は無理です」ポスターに敗北宣言? 少数政党の戦略とは 今さら聞けない参院選…衆院との違いは? 任期6年、解散なく熟議可能 予算や条約、首相指名は衆院優先 なぜ分かりにくい? 参院選、試行錯誤を繰り返す比例代表制度


 なぜ、参院選はタレント候補が多いのか。それは選挙制度に関係しています。参院選の比例代表は「政党名」と「個人名」、どちらでも投票ができます。個人名でも政党の得票として数えられるため、政党が有名人を擁立することで全体の得票数が上がれば、議席の増加も期待できるのです。
 当選したタレント議員に対し、「タレントに何ができる」と冷ややかな声を聞くのも確かです。しかし国会議員は国民の代表ですから、タレントに限らず、多様な人材、いろんな経験のある人材がそろっているほうがいい。知名度のある議員の問題提起が政治や社会を動かすこともきっとあるでしょう。
 無所属も含めて過去に当選した著名人候補を思いつくままに挙げてみると、タレントの青島幸男さん、テレビ司会者の大橋巨泉さん、柔道金メダリストの谷亮子さん、漫才師の西川きよしさん…などたくさんいます。西川さんが語った「大きなことはできませんが、小さなことからコツコツと」は流行語にもなりました。
 自ら新しい政党を立ち上げ、政界に飛び込んだのがプロレスラーのアントニオ猪木さん。キャッチコピーは「国会に卍固め」「消費税に延髄斬り」でした。
 猪木さんは語ったそうです。「リングと客席には距離があるように見えて実は一つにつながっている。政治もそういうものでなければならない」
 そうあってほしいです。(報道部デスク・岸本達也)
【特集ページ】参院選2022

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