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<参院選ポイント解説>「私の当選は無理です」ポスターに敗北宣言? 少数政党の戦略とは

2022/06/25 20:00

 街頭の参院選ポスター掲示板を見ていて、ある政党の候補者が目にとまりました。正方形のポスターの下部には、目立つようにこう書いてありました。「私の当選は無理です」。当選を目指して立候補したはずでは。いきなり敗北宣言とは、どういうことでしょうか。

 専門家に聞くと、少数政党や政治団体などの戦略の一つだというのです。当選は難しくても、候補者を多く立て、目を引く訴えで主張を拡散する。少しでも票を上積みする狙いとみられます。

 全国で一定の票を集めるなどすれば政党として認められ、政党に対して国から支払われる「政党助成金」(2021年の交付総額は約317億円)の金額も得票数に応じて決まります。

 先ほどのポスターでは「しかし、あなたの1票で(中略)政党助成金が○党に交付されます」とフレーズが続きます。政策を書いたポスターはよく見ますが、擁立の意図をあえてさらけ出し、支援を求める手法なのでしょう。

 政党や政治団体の票を稼ぐため、候補者を擁立しているとも取れる戦略ですが、専門家は合理的だと言います。東京などの大票田を中心に候補者の乱立は以前からありました。ただ、今回は過去最多の13人が立候補した兵庫など「ほどよい都会」にも広がり、その傾向が際立っています。(選挙担当デスク・井関 徹)

【政党助成金を受ける政党となる条件】以下の二つのうちどちらかをクリアする必要がある。

①所属国会議員が5人以上

②所属国会議員が1人以上で、直前の衆院選の小選挙区か比例代表、過去2回の参院選の選挙区か比例代表のいずれかで、全国での得票率が2%以上

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