沖縄戦の過酷さ、知事の苦悩… 映画「島守の塔」完成披露上映会 兵庫で8月公開
2022/07/11 20:55
映画「島守の塔」上映会であいさつする五十嵐匠監督(左)と、出演者の仲村佑奈さん=11日夜、神戸市中央区御幸通8、キノシネマ神戸国際(撮影・鈴木雅之)
太平洋戦争末期の沖縄戦を描いた映画「島守の塔」の完成披露上映会が11日、神戸市中央区のキノシネマ神戸国際であり、映画に協賛した企業や団体関係者ら約120人が観賞した。
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映画は神戸市須磨区出身で、沖縄県最後の官選知事を務めた島田叡(1901~45年)の半生をたどる。島田を萩原聖人さん、知事を支えた荒井退造警察部長を村上淳さんが演じ、吉岡里帆さん、香川京子さんらも出演。20万人以上が犠牲になった沖縄戦の過酷さ、戦火で苦悩する島田の姿を浮き彫りにする。東欧のウクライナで民間人が犠牲になる惨状とも重なる。
上映会には兵庫県の斎藤元彦知事や、神戸市の久元喜造市長らも参加。斎藤知事は「この作品が世界平和を考える機会になることを祈っています」と語り、神戸新聞社の高梨柳太郎社長は「次の世代に生命の尊さを伝えたいと製作した。これからも平和を語り継ぐ活動を続けたい」と誓った。
映画は神戸新聞社とサンテレビ、荒井の出身地の下野新聞社、沖縄の琉球新報社と沖縄タイムス社などが連携して製作。兵庫では8月5日からキノシネマ神戸国際、MOVIXあまがさき、同6日から元町映画館で上映される。(津谷治英)