臨界実験装置に発注と異なる部材 尼崎の企業が製作 日本原子力研究開発機構が発表

2022/07/19 23:19

 日本原子力研究開発機構は19日、定常臨界実験装置(STACY、茨城県)の改造工事で、炉心に供給する水をためるタンクの支持脚に、発注と異なる部材が取り付けられていたと発表した。 関連ニュース 木村化工機、社長ら3人を報酬減額処分 臨界実験装置の主要部材に誤り 原子力機構の臨界実験装置、発注と異なる部材は12点 尼崎の企業が製造 運転再開24年5月に延期 デブリ、炉内成分中心か 原子力機構が分析

 STACYは2018年1月、原子力規制委員会の新規制基準の審査に合格。東京電力福島第1原発の廃炉支援の一環として、溶融核燃料(デブリ)の取り出しに関連する技術開発のため改造工事中で、23年1月の運転再開を目指している。
 機構によると、工事は富士電機が受注、同社から発注を受けた化学機械製造の木村化工機(兵庫県尼崎市)が尼崎工場(同)でタンクを製作していた。今月7日の検査で、四つの支持脚に機構が確認した部材と異なるものが付いているのが見つかり、14日に品質管理上の問題を確認したという。
 機構は工事を休止させ、原因究明と再発防止を求めている。木村化工機は独立した専門家らでつくる調査委員会を早期に設置し、原因究明を急ぐとしている。

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