檜皮葺で使う「竹釘」が選定保存技術に 丹波市の石塚さん、祖父に続いて認定

2022/07/22 17:00

石塚直幸さん(文化庁提供)

 文化審議会は22日、文化財保護のため国が伝承を支援する選定保存技術として、檜皮葺などの施工に必要な「竹釘製作」を再選定し、兵庫県丹波市山南町の石塚直幸さん(48)を保持者に認定するよう末松信介文部科学相に答申した。兵庫県内の現存する選定保存技術は3件目で、保持者の死亡などで解除されたものを含めれば延べ10件目となる。 関連ニュース 深呼吸 北播磨の清涼スポット(4)御坂サイフォン橋(三木市) 女性自立支援へ再びベナンに 元青年海外協力隊、加東の女性が移住を計画 ふるさと納税1千万円で「神戸ビーフ1頭分」 加古川市、返礼品最多の427点

 県教育委員会によると、竹釘製作は1998年にも選定され、石塚さんの祖父芳春さんが保持者に認定された。しかし2004年に死去し、いずれも解除されていた。
 竹釘は竹を削った釘で、檜皮やこけらで屋根を葺く際に打ち付ける。檜皮葺には長さ約3・6センチの釘を1坪(約3・3平方メートル)当たり2400~3千本使うが、さびる鉄釘では代用できないという。
 石塚さんは幼少期から祖父の竹釘作りを間近で見てきた。芳春さんが体調を崩したことをきっかけに「選定保存技術保持者に教わりたい」と決意。勤めていた会社を退職し、00年に芳春さんの会社に入った。現在は全国唯一の製造業者となっている。
 祖父と同じ保持者に認定され「年齢も若く気が引けるが、選ばれたからには技術をしっかり継承していきたい」と気を引き締めた。(古根川淳也、真鍋 愛)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ