光本・尼崎市議の政活費不適切処理 納品書偽造の支出76万円「違法」 市監査委、返還求めるよう市長に勧告
2022/08/19 18:51
尼崎市議の光本圭佑氏
兵庫県尼崎市の光本圭佑市議(43)=無所属=が、所属していた会派「日本維新の会」の政務活動費(政活費)を不適切処理していた問題を巡り、市監査委員は19日、光本市議が納品書を偽造したパソコンなどの購入費約76万円を「違法な支出」と判断し、同会派から返還を求めるよう稲村和美市長に勧告した。市議会議長に対しても「精算払い(後払い)を検討内容に含めるべき」と意見した。
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市民オンブズ尼崎(福島聖倫代表世話人)の住民監査請求に対する監査結果。
光本市議は昨年8月、会派議員らのパソコンを購入し、納品書を切り貼りして自作した。監査委員はこれを「偽造」と断定。証拠書類として提出したのは「明らかに不正な手段を用いた支出行為」とした。
同会派は問題発覚後の今年6月、約76万円のうち、光本市議のパソコンと過剰性能のWi-Fi(ワイファイ)システムなどの購入費約24万円を「私的利用」とし、支出書を修正して市に返還。その他は会派市議が実際に議会で使っていたが、監査委員は「修正を認めれば、支出に当たり不正かつ違法な行為があっても結果的に有効となり、ルールそのものが意味をなさなくなる」と指摘。全額を「違法な公金の支出」とし、残金約52万円と年3%の遅延損害金の請求を求めた。
一方、購入に伴って光本市議が取得した約7万6千円分のポイントについては「市の損害といえない」として返還請求を退けた。(広畑千春)