関電、火力の相生発電所1、3号機を廃止へ 運転40年、脱炭素を推進
2022/08/24 20:55
1、3号機が廃止される関西電力相生発電所。中央の四角い建屋が左から1、2、3号機(関電提供)
関西電力は24日、火力の相生発電所(兵庫県相生市)の1、3号機を2023年3月末で廃止すると発表した。2基とも運転開始から約40年が経過。既に運転を停止しており、電力供給に影響はないという。二酸化炭素(CO2)排出が多い火力発電の廃止により、経営の効率化とともにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)を推進する。今後、経済産業省に届け出る。
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1、3号機は1982~83年に運転を開始。現存する関電の火力発電所では最も古く、出力は各37・5万キロワット。燃料はもともと石油だったが、16年にCO2排出量が比較的少ない天然ガスも利用できるよう改造した。
11年の東日本大震災後は、運転停止した原子力発電所を補うため高い稼働率を維持していたが、近年は低下。21年度は他の発電所と比べても低い10%を下回る水準だった。
脱炭素化の流れが加速する中、火力発電所は再生可能エネルギー電源の普及で稼働率が低下し、採算が悪化している。関電は今後、バイオマス発電や原発再稼働で供給力を確保する考え。
相生発電所2号機は、燃料を木質バイオマスに転換するために休止して改造中で、23年1月の運転開始を予定。相生発電所の従業員約100人のうち60~70人を配置転換する計画という。関電は「1、3号機の廃止と2号機のバイオマス転換は、火力のゼロカーボン化につながる」とみている。(横田良平)