二輪車用水素エンジンを初公開 研究用の四輪バギーでデモ走行 カワサキモータース
2022/09/03 21:20
二輪車用水素エンジンを搭載した研究用バギーに乗る川崎重工業の橋本康彦社長(左)とトヨタ自動車の豊田章男社長=3日午後、栃木県茂木町の「モビリティリゾートもてぎ」
川崎重工業の子会社、カワサキモータース(明石市)は3日、開発を進める二輪車用水素エンジンを搭載した研究用バギーを栃木県内で初公開した。耐久レースが開かれたのに合わせ、川重の橋本康彦社長と、開発で連携するトヨタ自動車の豊田章男社長が乗り、約250メートルをデモ走行した。
関連ニュース
川崎重工業の二輪事業 電動バイク、水素エンジン開発…30年度の売上高目標1兆円
空飛ぶクルマ、30m上空をすいすい 無人飛行お披露目
カワサキの電動3輪「ノスリス」23年春発売へ 前2輪で安定感抜群、幅広いニーズ想定
カワサキモータースによると、二輪向けのエンジンだが、試験用機材などを乗せるため四輪にした。「技術的には二輪車に搭載するのは可能」という。
エンジンは同社製大型バイクのガソリンエンジンを改良。空気の通り道にガソリンを入れる形態から、燃焼室に直接水素を吹き込む仕様に変更した。燃焼速度の速い水素に対応できるよう工夫し、7月に車両を完成させた。
同社は昨年12月、エンジンの設計に着手。水素で走る燃料電池自動車を生産するトヨタから技術支援などを受け、他の自動車関連各社とも連携して開発を進めてきた。
水素エンジン車は、水素を燃やして走り、走行時に二酸化炭素をほとんど排出しない。今回の車両で共同研究を重ね、実用化に向けた動きを本格化させる。
(大島光貴)