ミルクボーイと夢の対面 91歳女性ファン「一生の宝物」 きっかけは本紙投稿に寄せた「愛」

2022/09/08 05:30

村上しま子さんの特徴やエピソードを盛り込んだ漫才を披露したミルクボーイの駒場孝さん(左)と内海崇さん(読売テレビ放送提供)

 人気漫才コンビ「ミルクボーイ」へのあふれんばかりの愛を神戸新聞に投稿し、ファンや読者の間で大きな話題になった兵庫県西脇市の村上しま子さん(91)。8月27、28日に放送された「24時間テレビ」の関西ローカル企画で、コンビとのサプライズ対面が実現した。「夢みたい」「一生の宝物」と笑顔で涙ぐむしま子さんの姿が日曜昼下がりのお茶の間に届けられ、「感動した」「会えてよかった」と再び反響を呼んだ。(黒川裕生) 関連ニュース 91歳女性の「ミルクボーイ愛」共感の輪広がる 2人から喜びのコメント「励みになります」 姫路観光PR動画 ミルクボーイ「ネタ作りの旅」予告編が公開 暴力団追放、元組事務所をミニシアターに…奇跡の逆転物語を映画化「銀幕の詩」 30日、丹波で上映会

 しま子さんの投書が神戸新聞に掲載されたのは、4月25日付朝刊。「数年前に『ミルクボーイ』のファンになりました」という91歳の「告白」に、気づいたファンがツイッターなどで盛り上がっただけでなく、中高年の女性読者たちから「品がある漫才や」「私も好き」という声が続々と寄せられ、紙面はちょっとしたお祭り騒ぎになった。
 このユニークな「事件」に注目したのが、読売テレビ放送ディレクターの中屋敷亮さんだ。「今年の24時間テレビのテーマが『会いたい!』なので、しま子さんとミルクボーイをぜひ対面させたい」と企画を立て、家族と連絡を取りながら準備を進めたという。
 ミルクボーイの内海崇さん(姫路市出身)と駒場孝さんは、事前に家族から聞き取ったしま子さんの得意料理や性格、幼少期のエピソードなどを基に、オリジナルの漫才を制作。ロケ当日、しま子さんがテレビ番組の偽企画の取材を受けているところに突然現れ、「オカンが好きなおばあちゃんの名前を忘れた」というネタを披露した。
 「91歳、人形作りが趣味でミルクボーイのファン」「茶わん蒸しには具が9種類入っている」「子供のときタヌキに化かされた」「すごく暑がり」などの特徴を挙げつつ、「ほな、しま子さんちゃうかあ…」「しま子さんやないかい」と展開するおなじみのパターン。2人が「これからも元気で、ずっと応援してほしい」と結ぶと、しま子さんは「一生の宝物です」と感無量の面持ちだった。
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 内海さんと駒場さんに、しま子さんと会った感想を改めて聞いた。
 駒場さん「どんな人なのか気になっていたので、とてもうれしかったです。僕のことをずっと応援してくれていた祖母は、残念ながらもう亡くなったので、しま子さんにおばあちゃんへの思いもぶつけました」
 内海さん「かなりご高齢なので、サプライズとはいえ本気で驚かせないように静かに登場したんですが、めっちゃ若々しくて元気な方で驚きました。若い“出待ち”のファンみたいに楽しんでくれました」
 新聞の投稿欄という珍しい場所で盛り上がったことについては、「しま子さんみたいな人が他にもいるなら、どんどん投書してほしい。今はいろんな形で拡散されますし、僕らも会いに行きますんで」(駒場さん)、「僕のオカンも昔イイミミに電話して載ったことがあるらしいんですよ。いつかイイミミに僕らが出るみたいなのも面白いかも」(内海さん)と話していた。

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