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「銀幕の詩」プレミア上映への来場を呼びかける近兼拓史監督=ヱビスシネマ。
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「銀幕の詩」プレミア上映への来場を呼びかける近兼拓史監督=ヱビスシネマ。

 兵庫県丹波市氷上町成松地区であった暴力団追放運動や、元組事務所を映画館に生まれ変わらせようと奔走した人々の実話を基にした映画「銀幕の詩(うた)」が、完成した。構想から4年。新型コロナウイルス禍を経て、ようやく住民らの熱意が実った。全国上映に先駆け、プレミア上映会が30日、春日文化ホール(同市春日町黒井)である。近兼拓史(ちかかねたくし)監督(60)と出演者らがレッドカーペットを歩き、作品への思いや撮影秘話などを披露する。(真鍋 愛)

 関西人の人情を描く「下町の詩」シリーズ第4弾。前作「恐竜の詩」(2018年)に続き、同市がメインロケ地となった。中央小学校、氷上中学校が撮影に協力し、小中学生を中心に市民200人以上がエキストラとして参加した。

 舞台となった成松地区にはかつて、山口組系暴力団の組事務所があった。住民による追放運動で、元組事務所は2014年、地元自治会に買い戻された。長らく活用されていなかったが、近兼監督の提案で映画館として再出発するプロジェクトに発展。昨年、同市で唯一の映画館「ヱビスシネマ。」として開館した。

 銀幕の詩(約90分)は、これらの実話にフィクションを加えた人情コメディー。主演は柴田由美子さん、松岡智子さん、一明一人(いちめいいちと)さんで、追放運動を主導するなどした市職員を演じる。再現ドラマの女王と呼ばれる芳野友美さんら、個性派俳優が脇を固める。ナレーションは、映画「風の谷のナウシカ」のナウシカ役などで知られる声優の島本須美さんが務める。

 製作期間はコロナ禍と重なり、予定より1年以上遅れた。撮影シーンやスケジュール変更を余儀なくされ、映画館の休業などによる資金難にも見舞われた。

 近兼監督は「構想から4年。しんどかった。『もう駄目かも』と思うたび、丹波の皆さんに支えられた。真心にあふれた町ならではの映画ができた」と自信をのぞかせる。「プレミア上映会は結婚披露宴のようなもの。多くの人と一緒に完成を喜べるとうれしい」と話している。

 午後6時~8時半。入場料は一般3千円、中学生以下1600円。上映会資金などに充てられる「応援用プレミアチケット」もあり、S席1万円(恐竜の詩DVDまたはオリジナルクッション付き)、A席5千円(映画「下町の詩」シリーズの主題歌4曲を収めたCD「詩の歌」付き)。

 チケットは、ネットショップ「BASE」で銀幕の詩と検索するか、ヱビスシネマ。(TEL0795・88・5910)に電話し、春日文化ホールなどで、購入できる。全国公開は来春の予定。

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