<維新10年 関西の実像>デスク解説 「維新政治」は続くのか 気になる兵庫県議選の出方

2022/09/13 06:00

「維新政治」を軌道に乗せた橋下徹氏と松井一郎=2013年7月、大阪市内

 やはり「維新政治」は続くのか。日本維新の会の馬場伸幸新代表へのインタビューを聞いた率直な感想です。結党10年を振り返ろうと、神戸新聞が京都新聞と合同で行った取材で最も興味深い内容でした。 関連ニュース 参議選の比例票を来春の兵庫県議選に当てはめると… 自民は過半数割れ、維新6倍超に躍進 斎藤知事、刷新へ問われる成果 就任1年、議会や市町との関係修復に腐心 西宮市長選で「散々だった」維新、戦略練り直し 「大阪色」の抑制、さらに「戦略的撤退も」

 大阪府知事・市長の入れ替えダブル選などを先導した「松井路線」の継承を宣言していたので、当然ではあるのですが。飾らない語り口には、政治的なけん制や観測気球的な発言がちりばめられていました。
 最も気になったのは公明党との関係です。兵庫と大阪の衆院小選挙区では維新と公明ですみ分けをしていますが、関係をリセットすると踏み込みました。
 大阪都構想の実現に向けて手を結んでいましたが、構想が失敗した今は、協力するメリットがないというのです。ただ一方で「政治やから交渉の機会があれば、それを否定しない」とも話し、けむに巻きました。公明は連立与党として自民党とも連携する存在。構図を不安定にさせる発言だけに、動向を注目しています。
 昨夏の兵庫県知事選では、維新も推薦して斎藤元彦知事を誕生させました。来春の県議選に向けて「積極的に(候補者を)擁立して、助けてあげないと」と語り、議会からの支援を約束しました。選挙の結果次第では、県政への関与の度合いを強め、存在感を増したいとする考えが透けて見えます。
 仮に主要会派と肩を並べるほど議席を獲得すれば、兵庫でどんな政治をするのでしょうか。これまでの訴えではあまり見えないだけに、来春の統一地方選の出方が気になります。(行政担当デスク・井関 徹)

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