震災でがれき処理、中皮腫で死亡の市職員 公務災害認めぬ判決確定、最高裁が妻側の上告を棄却

2022/09/16 20:20

資料写真(sakura/stock.adobe.com)

 阪神・淡路大震災でアスベスト(石綿)を含むがれき収集などに公務で従事し、中皮腫で亡くなった男性の妻が、公務災害を認めなかった地方公務員災害補償基金(東京)の処分取り消しを求めた訴訟で、最高裁は妻側の上告を棄却した。決定は7日付。上告受理申し立ても不受理とした。 関連ニュース 1・17震災時、大気中の石綿「高濃度」 95年2月に神戸調査の専門家 アスベスト、なぜ恐ろしい? 大震災で被災地に飛散 「船上では石綿が雪のように」肺がんの男性3人が勤務先提訴


 兵庫県明石市職員だった島谷和則さんは、同震災後に倒壊家屋のがれき回収などを担当した。悪性腹膜中皮腫の診断を受け、2013年に49歳で死亡。公務災害認定を求めたが同基金は「公務外の災害」と判断し、妻弘美さん(58)は神戸地裁に提訴した。
 同地裁では基金の処分取り消しを命じたが、大阪高裁は今年3月の控訴審判決で、発症は「公務に起因すると認められない」と同地裁判決を取り消し、妻側の請求を棄却していた。

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