立民・泉代表、子育て施策充実へ“先行”明石市視察 泉市長と共同会見「関連予算の倍増を」

2022/09/24 15:41

明石市の子育て支援拠点で、泉房穂市長(左)から説明を受ける立憲民主党の泉健太代表=24日午前、明石市大明石町1

 立憲民主党の泉健太代表は24日、子育て支援に力を入れる兵庫県明石市を訪れ、拠点施設などを視察した。党が重視する子育て施策の充実を図る狙いで「子どもが増えなければ国や地域の未来はない」とし、関連予算の倍増などを政府に求めていく考えを強調した。 関連ニュース 子育て支援大賞「受賞条件に金銭要求された」 泉・明石市長の投稿に受賞市町が困惑、実は… こども家庭庁「権限ないなら、つくる意味ない」 泉・明石市長、義務教育政策の移管を主張 岸田首相、泉・明石市長との対話に消極姿勢 「子育て政策で意見交換を」、国会で問われ「チャンスあれば」

 立民は7月の参院選で「教育の無償化」を公約の柱の一つに位置付け、児童手当の延長・増額と所得制限の撤廃、小中学校の給食費無償化などを訴えたが、改選前議席を下回る結果となった。
 泉代表は、明石駅前の再開発ビルに入る親子交流スペース「ハレハレ」や、こども健康センターを見学した。案内した泉房穂市長は9年連続で人口が増えている状況などを紹介し、「子育て世代を支援することで地域経済が活性化し、好循環につながっている」と力説した。
 2人の共同会見もあり、泉代表は「この数十年、日本の子育て予算は欧米並みにならなかった。これを本気で打開しないといけない」と強調した。政府が掲げる防衛費倍増方針を念頭に「教育・子育て予算の倍増を優先すべきではないかと国会で訴えたい」とし、子育て関連の各種制度に設けられている所得制限の撤廃実現にも意欲を見せた。
 一方、立民への注文を問われた泉市長は「2人目、3人目の子どもを産むのをためらう最大の理由はお金。相当思い切った政策展開が必要で、(国に)お金がなくても何とかするのが政治だ」と指摘した。
 また、子育て予算倍増の財源として立民が参院選で示した「教育国債」には「国債は未来への投資。子どもを応援するのは、それが経済を回すから」と理解を示し、「年限を区切った上で国債を発行し、その間に財政健全化を図るのもありだと思う」と述べた。(田中陽一)

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