明石市の一般会計決算 市議会で2年連続不認定へ「多大な税金の無駄」

2022/10/11 18:23

2021年度一般会計決算を不認定とした決算審査特別委員会=明石市議会

 兵庫県明石市議会の決算審査特別委員会は11日、全市民への金券配布を巡って泉房穂市長が議会の意思決定を無視した上、税金の無駄遣いがあったなどとして、2021年度一般会計決算を反対多数で不認定とした。12日の本会議でも2年連続の不認定となる見通し。 関連ニュース 兵庫・明石市長、問責「賛成したら許さん」「次の選挙で落とす」決議案巡り市議らに発言 明石・泉市長に殺害予告メール届く 辞職しなければ「自作銃で何発も撃って殺す」 泉・明石市長の課税額投稿 一部市議が刑事告発へ 議会可決の百条委報告は「秘密漏えい疑い」

 全市民への金券配布では昨年8月、市議会が経費削減を求めて議案を「継続審査」としたが、泉市長は例外的に市長が議会の議決に代わって意思決定する「専決処分」で実施した。
 この経緯について、決算委で公明党議員は「議会制民主主義では議会を尊重することが求められるのに、議決を無視した」と批判。自民党真誠会の議員は、今秋の配布第2弾で郵送方法を個人単位から世帯単位に見直したり、入札を行ったりして経費が約9300万円浮いたことに触れ、「多大な税金の無駄を市民に説明できない」と述べた。
 また、別のプレミアム付き商品券などの事業費として当初予算に3億円を計上したものの、事業を行わなかったことについても「当初予算に関する(議会の)議決を軽視した」と非難。ふるさと納税で「明石ダコの保護」を使い道とする寄付が約4300万円集まったが、実際にタコ保護に使われた額は約180万円にとどまったとの指摘もあった。(長尾亮太)

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