医療機関の4割、コロナ後遺症に対応 患者7割超がワクチン接種後に感染 「第7波」受け、県保険医協会調査
2022/10/19 20:00
国立感染症研究所が分離した、新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(同研究所提供)
新型コロナウイルスの流行「第7波」を受け、兵庫県内の開業医・歯科医ら約7700人で構成する県保険医協会(事務局・神戸市中央区)が、加盟する医療機関にアンケートを実施し、40・3%が後遺症の患者に対応していることが分かった。73・3%がワクチン接種後に感染しており、ブレークスルー感染の実情も浮き彫りとなった。
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調査は新型コロナが流行し始めた2020年3月から、節目ごとに実施し9回目。今回は第7波が落ち着き始めた9月26日から10月12日までの17日間にわたって行った。3224件に依頼し335件(10・3%)から回答を得た。
後遺症に対応している40・3%を診療科別に分けると、耳鼻咽喉科が76・9%と最も高かった。次いで内科(55・3%)、病院(50・0%)の順だった。
重篤症状は、よく知られている味覚・嗅覚障害、倦怠感、せきに加え副鼻腔炎、湿疹、帯状疱疹など多岐で、精神科、皮膚科と幅広い医師が携わっていた。
35・2%がワクチン接種後の副反応相談にも対応。症状は脳梗塞、心筋梗塞、帯状疱疹と多彩で、心破裂といった深刻な例もあった。心筋炎を含む5人の死亡も報告された。
国は死亡例との因果関連については情報不足で判断できないとしているが、明石市の西山クリニック院長で県保険医協会の西山裕康理事長は「国の責任でしっかりと調査すべき」と指摘。「後遺症、ワクチン接種後の副反応は未知の部分が多い。治療や予防策を自己責任に押しつけがちだが、正確なデータを示すよう訴えていきたい」とした。
(津谷治英)
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