手を挙げるときは「グー」の高校 尼崎市長選から見える若者の政治意識 「変えたい」生徒会選挙に名乗り

2022/10/31 16:30

尼崎市長選の立候補予定者に質問する高校生=尼崎市立尼崎高校(撮影・斎藤雅志)

 政治への関心が低いとされる若者たち。でも勝手な思い違いだったのではないか。高校生が尼崎市長選の立候補予定者に疑問をぶつける「市長選ミーティング」を企画してみて、そう感じました。 関連ニュース 【写真】尼崎市長選の立候補予定者に疑問をぶつける高校生 「治安が悪いイメージ、どうにかなりませんか?」尼崎の高校生が市長選立候補予定者に質問<市立尼崎高編> USB紛失問題の尼崎市、稲村市長退任へ 昨年末から周囲に相談

 その高校では、授業で生徒が手を挙げる際、「パー」ではなく、「グー」でこぶしを示すそうです。ちょっと威圧的にも見える「古い慣習を変えたい」。そう思って生徒会選挙に名乗りを上げていた男子生徒は、立候補予定者に対して、いじめや体罰など学校の問題を尋ねました。
 別の男子生徒は、生徒代表として質問する役割を担った理由を「政治に関心があるから」と言います。特に憲法の成り立ちに興味があり、憲法改正の必要性などについて兄と話をするそうです。
 数字の上では若者の政治参加は進んでいません。6年前、選挙年齢が18歳以上に引き下げられましたが、若年層の投票率は低いまま。年代別にみると、衆院選は1969年以来、20代の投票率が最低で、10代は2017、21年とも20代に次ぐ低さでした。
 ただ、潜在力はあるはずです。関心があっても、それをどう表現していいか分からない。だったら暮らしに身近な疑問から考えてみたらどうでしょう。力を呼び覚ますきっかけが眠っているような気がします。(行政担当デスク・井関 徹)

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