政治への関心が低いとされる若者たち。でも勝手な思い違いだったのではないか。高校生が尼崎市長選の立候補予定者に疑問をぶつける「市長選ミーティング」を企画してみて、そう感じました。
その高校では、授業で生徒が手を挙げる際、「パー」ではなく、「グー」でこぶしを示すそうです。ちょっと威圧的にも見える「古い慣習を変えたい」。そう思って生徒会選挙に名乗りを上げていた男子生徒は、立候補予定者に対して、いじめや体罰など学校の問題を尋ねました。
別の男子生徒は、生徒代表として質問する役割を担った理由を「政治に関心があるから」と言います。特に憲法の成り立ちに興味があり、憲法改正の必要性などについて兄と話をするそうです。
数字の上では若者の政治参加は進んでいません。6年前、選挙年齢が18歳以上に引き下げられましたが、若年層の投票率は低いまま。年代別にみると、衆院選は1969年以来、20代の投票率が最低で、10代は2017、21年とも20代に次ぐ低さでした。
ただ、潜在力はあるはずです。関心があっても、それをどう表現していいか分からない。だったら暮らしに身近な疑問から考えてみたらどうでしょう。力を呼び覚ますきっかけが眠っているような気がします。(行政担当デスク・井関 徹)









