因縁の対決、元教育長制す 出直し太子町長選、前職「不徳の致すところ」 議会との協調路線へ
2022/11/13 21:30
太子町長選で当選確実となり、支援者と握手で喜びを分かち合う沖汐守彦氏=13日午後8時34分、太子町蓮常寺(撮影・大山伸一郎)
兵庫県太子町の出直し町長選は、元町教育長が因縁のある前町長との一騎打ちを制した。13日午後8時半すぎ、当選確実の報に沸く選挙事務所で、沖汐守彦氏(65)は議会と対立を続けた前町長の町政を踏まえ「議会や町職員と丁寧に話し合い、和のまち太子をつくっていきたい」と話した。
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前職の服部千秋氏(63)が議会から不信任決議を突き付けられたのは9月26日。その後、沖汐氏は複数の町議に支援を打診し、立候補を決意した。
沖汐氏と服部氏には因縁がある。もともと沖汐氏は2019年、服部氏に任命され町教育長に就いた。だが在任中、小中学校の特別教室へのエアコン設置を巡り、服部氏の独断で予算が削られたと反発。町議会本会議で「町長との信頼関係が崩れた」と発言した。沖汐氏は再任されず、任期満了で退いた。
選挙戦では町議会との協調路線をアピールし、「待機児童ゼロ」や高校生までの医療費無償化を訴えた。政策面で服部氏との明確な違いは打ち出せなかったが、支援を受けた11人の町議の協力で、地区ごとのミニ集会にも力を入れ、支持を伸ばした。
一方、早々に敗北が確実となった服部氏の自宅兼事務所では、集まった支持者らが「接戦かと思ったが」と戸惑いの表情を見せた。服部氏は十数人の支持者を前に、「町民のみなさんに思いを精いっぱい届けてきたが、このような結果になった。不徳の致すところで申し訳ない」と述べた。
(直江 純、上杉順子)
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