「くろまんぷ」は異界への入り口?! 現役では日本最古級、猪名川の石製トンネル
2022/11/15 11:39
山中に現れたトンネル。奥まで続く緑や黄色のしま模様が、異界を連想させる=兵庫県猪名川町林田南山
またの名を「くろまんぷ」。玉虫色とグレーのしま模様が続く内壁を眺めていると、異界へ吸い込まれていく気分になる。
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兵庫県猪名川町の「津坂トンネル」は険しい山を挟む2地区を結ぶため、1881(明治14)年に着工した。
岩盤の硬さなどで難工事となったが、当時の住民が私財をなげうって開通させた。明治の隠れた偉業とも伝えられる。
同町によると、現役の石製トンネルとしては日本最古級といい、地元では「暗いトンネル」を意味する呼び名で親しまれている。
完成当初の岩肌は、コンクリートに覆われた。それでも、照明に浮かぶ壁面の黒ずみと帯状に生えたコケは、歳月を重ねた風格を感じさせる。
通行には高さ2メートルの制限が設けられている。道幅の狭さもあり、同町は約600メートル東の「町立ふるさと館」から徒歩で見学するよう勧めている。
猪名川町広報戦略室TEL072・766・8707
(秋山亮太)