五輪開幕まで1週間 兵庫勢の決意 セーリング・高野芹奈

2021/07/16 05:30

セーリング女子49erFX級の東京五輪代表に決まった際、「メダルレースに残りたい」と語った高野芹奈(右)と山崎アンナ=2019年12月10日、成田空港

 世界的なスポーツの祭典、五輪。普段はなかなか日の当たらない競技もメディアでの露出が増え、魅力を多くの人に広めるまたとない好機だ。23日に開幕する東京大会で、見る、するスポーツとしての面白さを伝えたい-。自国開催の大舞台を前に、活躍を期す兵庫ゆかりのアスリートを紹介する。 関連ニュース 原点は芦屋沖の風「勝ちたい気持ち持ち続けた」 パリ五輪セーリング「銀」吉岡選手、母校芦屋高で報告会 セーリング吉岡、引退の意向 パリ五輪混合「銀」、県芦屋高出身 パリ五輪で銀メダルのセーリング、有力選手輩出の学生ヨットが曲がり角 岡田、吉岡両選手が20年ぶり獲得の470級


■海のF1、かっこいい姿を
セーリング・高野芹奈(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ出身)
 10種目が行われるセーリング。中でも高野芹奈(せな、ノエビア・関大、B&G兵庫ジュニア海洋クラブ出身)が出場する女子49erFX(フォーティーナイナー・エフエックス)級は時速40キロにも達し、「海のF1」と呼ばれる花形種目だ。
 全長4・99メートルの細長い2人乗り艇で、帆の大きさが特徴。風や波がこの先どう変化していくかを読みながら艇を操り、いち早くゴールを目指す。体力、頭脳ともにフル稼働だ。高野は艇のバランスを取るクルーを、相棒の山崎アンナ(ノエビア・日体大)はかじ取り役のスキッパーを務める。
 高野は「私たち日本代表がいい成績を残し、かっこいい姿でヨットに乗ることで注目していただけたら」と笑う。
 この種目が五輪に初めて採用された前回リオデジャネイロ大会に、高野は18歳で参戦。宮川恵子(和歌山クラブ)とのペアで20位に終わった。
 「リオでは心が乱れ、集中できない部分があった。今回はしっかりと集中する」。カートレーサーだった父啓司さんがF1の故アイルトン・セナにちなみ、名付けた「芹奈」。音速の貴公子のごとく、海上を疾走する。(藤村有希子)

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