記者コラム〈サイドライン〉競技初日、ドームに響く音を聞きながら

2021/07/22 05:30

日本-カナダ 先発出場したINAC神戸の中島依美=21日夜、札幌市豊平区の札幌ドーム(撮影・中西幸大)

 21日夜、ピッチを駆けるサッカー女子の選手たちを、札幌ドームの記者席から見ている。東京五輪の競技が始まった。 関連ニュース 神戸弘陵、手堅く逃げ切る FW鈴木がこぼれ球に頭で合わせる 全日本高校女子サッカー 全日本高校女子サッカー、神戸弘陵5大会ぶり16強入り 北海道文教大付に1ー0 初戦敗退の日ノ本「決めきれなかった」 攻め単調、無得点に 全国高校サッカー女子

 約4万人収容できるスタンドに観客はいない。「スポーツの祭典」につきものだと思い込んでいた応援の肉声も鳴り物の音もない会場で、さまざまな思いが交錯する。
 2002年サッカーワールドカップ(W杯)や19年ラグビーW杯では、スタジアムは熱気にあふれ、記者も高揚感に包まれた。躍動する選手や支える関係者、観戦を楽しむ人たちの姿も重なり、国際大会の印象として強く残っている。
 コロナ禍の21年五輪。なでしこジャパンの攻守の要で先発出場したMF中島依美(INAC神戸)は「勝つためにいい準備をしてきた。いい報告ができるように頑張りたい」と語っていた。
 私たち取材班も、記者としてできることを話し合いながら準備をしてきた。全力でプレーする選手を見ると、やはり胸が熱くなる。それを紙面で表現する。選手が掛け合う声やボールを蹴る音が響くドームで決意を新たにした。(金山成美)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ