前回は緊張で胃腸炎…坂本花織「経験大きい、心強くなった」、三浦璃来「過去の自分たち超える」 北京五輪の活躍誓う

2022/02/03 19:55

2度目の五輪舞台で氷の感触を確かめる坂本花織=3日、北京(撮影・堀内 翔)

 北京冬季五輪は4日に開幕する。兵庫ゆかりの日本代表選手は、フィギュアスケート女子で2大会連続出場の坂本花織(21)=シスメックス、神戸学院大3年=と、ペアで初出場の三浦璃来(20)=木下グループ、同県宝塚市出身。若き2人が、それぞれの決意を胸に銀盤を彩る。 関連ニュース 今からでも間に合う!フィギュアスケート観戦講座 フィギュア女子4位の三原、再び選考で涙 難病、体調不良…不屈のスケーター 北京五輪2月4日開幕 フィギュア坂本「4年間の全て出し切る」 ペア三浦、木原組「憧れの舞台で結果を」

 坂本は、6位に入った4年前の平昌冬季五輪を糧にする。「17歳で一度経験できたのは本当に大きい」。当時は五輪マークに浮足立ち、過度の緊張から急性胃腸炎に見舞われた。それから4年。全日本選手権を2度制し、世界選手権にも出場した。「心は強くなったと思う」
 幼少期から中野園子コーチ、グレアム充子コーチの指導を受け、1月の四大陸選手権を制した三原舞依(22)=シスメックス、甲南大4年=とともに、競い合いながらトップ選手へと羽ばたいた。
 平昌五輪後のルール改正で出来栄え点の幅が広がり、注力してきたのが演技の完成度。トリプルアクセル(3回転半)などの高難度ジャンプがなくても、質を高めることで大きな加点を引き出し、表現力も磨いてきた。
 神戸市灘区出身で、市立渚中、神戸野田高、神戸学院大と進み、練習拠点も神戸。世界と戦うようになってからも「恩返しがしたい」と学校や地元の名前を背負って全国高校総体や国体に出場してきた。2度目の五輪に挑む生粋の神戸っ子は「4年間やってきたことを発揮して、平昌以上のいい成績を出したい」と誓っている。
 三浦は、ソチ、平昌両五輪代表の木原龍一(29)=木下グループ=と2019年にペアを結成。投げ上げられた三浦が回転するツイストリフトの練習で、「こんなに滞空時間が長いんだ」(三浦)と、相性の良さをすぐに確信した。
 3季目の今季は国際舞台で2戦連続の表彰台を射止めるなど急成長。これまで目立たなかったペア種目に光を当て、北京では団体戦メダルの鍵を握る存在だ。
 宝塚市立御殿山中時代にシングルから転向した。幼い頃から空手を習い、回し蹴りが得意だったという三浦。優れた瞬発力や空中感覚、そして恐怖心に負けない強い気持ちを持つ。
 「楽しく滑れることが私たちの特長。過去の自分たちを超えていきたい」。「りくりゅう」と親しまれているペアは、大舞台で息の合った演技を見せる。(山本哲志)
【特集ページ】北京五輪2022

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