一度は閉ざされた全国舞台 長田高空手部、代替大会へ「自分たちの最高出す」

2022/04/12 17:30

空手の全国高校選抜大会の代替大会に挑む長田の男子団体形メンバー。左から川戸、原田、宮野=神戸市長田区の同校

 3月に開催予定だった空手の全国高校選抜大会が、宮城県で最大震度6強を観測した地震の影響で中止となった。進学校として勉強と両立しながら、2大会連続で男子団体形の出場を決めていた長田(神戸市)は失意にくれたが、代替大会(東京)の開催が決定。今月21日の開幕に向け、形メンバーの原田主将は「自分たちの最高を出す」と追い込みを図っている。 関連ニュース <全国高校総体>空手女子形、東洋大姫路・森3位 <全国高校総体>兵庫の出場選手 剣道・柔道・ボクシング・レスリング・空手・相撲 <県高校総体>空手展望 全国16強の神戸第一が軸 男子団体組手

 中止の一報は、稽古途中に空野顧問から伝えられた。「ぼうぜんという感じだった」と原田。団体形は夏の全国高校総体では行われず、選抜大会が日本一を目指せる最後の機会だった。同級生で団体メンバーの宮野、川戸も同じ反応だったが、地震の被災者を思うと、複雑な感情がこみ上げた。
 3人はいずれも医師志望。幼少からの経験者だが、高校に入って成長スピードを上げていた。「空手は運動能力より、後天的に獲得する技術が勝敗を左右する。勉強と同じマインドがマッチしている」と空野顧問。宮野や川戸も「課題をつぶすのは勉強と同じ」「集中力は空手に生きる」と共通点を語る。
 結果にもつなげ、3人は学校として初出場だった昨春の選抜大会で全国16強。昨年11月の県高校新人大会では1991年の創部以来、初めて団体制覇を成し遂げた。
 部全体でも長田は強豪に育っている。2、3年生23人のうち8割が高校から始めた初心者というが、男女を通じて8年連続で近畿大会(団体種目)の出場権を獲得中。「自分でやる」という部の方針通り、原田主将を中心にメニューを組み立て、一緒に考えながら稽古に励んでいる成果だ。
 その姿勢は団体形でも一貫している。「互いに合わせるのではなく、個々が自分のベストを出す」と宮野。原田は「歩幅を含めた一致性が大事だが、正確すぎると面白くない」と、リズムや表情の変化を仲間に求める。
 日本一の称号を懸けた最後の代替大会。「やってくれるだけでうれしいが、結果を残せたら、もっといい」と、3人の集大成をぶつける。(有島弘記)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ