昨夏39キロ級、今春は51キロ級…神戸の中学生ボクサー2階級V 指導者も驚き「半年ではありえない」

2022/05/30 05:30

体の急成長で昨夏より12キロ上の階級で今夏の全日本王座に挑む山崎琉偉河=加古川市加古川町河原

 ボクシングの全国大会で、昨夏に男子39キロ級、今春には同51キロ級をそれぞれ制した中学生ボクサーが神戸にいる。体重制限差は実に12キロ。出場登録時に急成長し、希望する階級への変更が間に合わず、さらに上の階級で戦うことになった。指導者も「半年ではまずありえない」と話す階級の上げ幅だったが、体格差を技術で補って今夏の全国大会へのシード権をつかんだ。(吉田敦史) 関連ニュース 「運動苦手」から一躍新人王候補 過酷な練習で急成長のボクサー フィットネスもOK、女子元世界王者がプロデュース ボクシングジム開業 「どの時間よりも空手が好き」始めて1年の小学1年生 立ち姿に存在感、8月全国へ


 神戸市立王塚台中3年の山崎琉偉河(るいが)。4歳で空手を始め、キックボクシングを経て小学5年でボクシングに転向した。現在は加古川市のアマチュアジム「竜一屋」に通い、兵庫県ボクシング連盟でアンダージュニアの育成を担う松本広さんの指導を受ける。
 昨夏、日本ボクシング連盟が主催する小学5年~中学3年の日本一を決める「全日本UJボクシング王座決定戦」に39キロ級で出場し、和歌山市での決勝を制して王座に輝いた。
 続いてエントリーしたのは、中学1、2年で争う「全日本UJフレッシュボクシング大会」。昨年10月の兵庫県大会は45キロ級で登録していた。ところが山崎の体は予想を上回る速さで成長。48キロ級に変更しようとするも既に空きがなく、半年前から4階級上となる51キロ級にするしかなかった。
 今年3月に札幌市であった本大会では、各ブロックを代表する12人が二つのグループに分かれてそれぞれ覇を競った。山崎は決勝で北海道代表と対戦。体格差をカバーしようと、足を使って攻撃をかわし、5-0で判定勝ちした。
 シード選手として臨む今夏のUJ王座決定戦では、倒したいライバルがいる。フレッシュ大会でもう一つの51キロ級グループを制した京都の遠藤空我だ。1月の関西ブロック大会で遠藤に敗れ、山崎は2位通過だった。
 昨年6月に約155センチ、41キロ台だった身長と体重は今年4月、163センチ、53キロを超えた。「もっと練習して体をつくり、55キロから絞っていく。当てるだけでなく見せるパンチや誘うパンチの引き出しを増やしたい」と意欲を燃やしている。

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