プロ野球日本一 オリファン、心一つに 「何かを失って、ようやく居場所見つけた」

2022/11/05 15:00

プロ野球の日本シリーズでヤクルトを破って日本一になり、胴上げをされるオリックスの中嶋聡監督=10月30日、神宮球場

 プロ野球オリックスが日本シリーズ制覇を果たした。神戸を本拠地としたブルーウェーブ時代の1996年以来で、大阪をホームとする球団の日本一は64年の南海ホークスまでさかのぼる。 関連ニュース ソ7-1オ(3日) ソフトバンクが快勝 ソ2-1オ(2日) ソフトバンクが逆転勝ち 西1-4オ(31日) エスピノーザが5勝目

 関西のプロ野球文化に詳しく「ホークスの70年」などの著書がある関西大社会学部の永井良和教授(62)は複雑な変遷をたどったオリックスのファン心理を推察し、地元に愛される球団として今後に期待した。
 チーム名がオリックス・バファローズに変わってからの若いファン層がいる一方で、阪急ブレーブスを西宮球場で応援し、近鉄バファローズに藤井寺球場で声援を送った世代がいる。そして阪神・淡路大震災と「がんばろうKOBE」のブルーウェーブを記憶する人たちと、ファンの立場は多様だ。
 永井教授は「みんなが何かを失って、ようやく、あそこ(京セラドーム大阪)に居場所を見つけた」と表現する。さらに「一度も甲子園球場から動かず、親会社も愛称も変わらない阪神タイガースと同列に論じるのは難しい」という。
 阪神の「大阪らしさ」を「吉本、たこ焼き、タイガース」と例えた。「関西以外の人が見た時に期待される大阪、関西のイメージ。こてこてで、おもろいことを言って、強い時もあるけど、へたれみたいになる」
 阪神のイメージは強烈すぎる。ではオリックスがどんな「特色」を持つべきか。永井教授は「サッカーのJリーグをモデルにするぐらいの気持ちで地域を意識し、野球を通じて子どもたちを育て、オリックスでプレーしたいと思わせる。息の長い話だが、それができて初めて、地元のチームだから応援しようという気になる」と指摘した。

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