ロゴ、ポスター、グッズ… オオサンショウウオPRが盛り上がり
2021/05/23 05:30
「いくの銀谷工房」が制作しているオオサンショウウオのグッズ=朝来市生野町口銀谷
「オオサンショウウオの棲(す)むまち」を掲げる兵庫県朝来市で、PR活動が盛り上がっている。同市南部を流れる市川は1500匹を超す日本有数の生息地で、今年9月には新型コロナの影響で延期となった研究大会も同市で開かれる。そこで市はプロモーションビデオ(PV)やロゴマーク、ポスターなどを製作。目指すは、豊かな生態系の象徴とされるオオサンショウウオと共生する「環境都市」だ。(竜門和諒)
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オオサンショウウオは、国の特別天然記念物。市川沿いに拠点がある「日本ハンザキ研究所」(同市生野町黒川)は、個体にマイクロチップを取り付けるなどして追跡調査を続け、生態の解明に取り組んでいる。
同市では昨秋、国内外の研究者らが参加する「日本オオサンショウウオの会朝来大会」が開かれる予定だった。
しかし新型コロナの感染拡大で、今年9月に延期に。一連のPR活動は、大会を契機に環境をテーマにした地域づくりを進めようと、市が2020年度からスタートさせている。
市は、のぼり旗やポストカードを新たに製作し、今年5月には3分間のプロモーションビデオ(PV)を、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開。市生野支所の谷田雅彦さんは「生息地を守る活動と合わせて、共生する文化を一層育んでいきたい」と話している。
また、情報発信に一役買っているのが、生野まちづくり工房「井筒屋」を拠点に活動する女性グループ「いくの銀谷工房」だ。代表の斉藤敬子さん(72)によると、約15年前から、独自にオオサショウウオグッズの製作・販売を続けているという。
現在ではクッションやティッシュケース、キーホルダーのほか、マスクやクッキーなど、その種類は約30にも上る。
大会を控えて販売先を広げ、市内の道の駅などにも特設コーナーを設ける。斉藤さんは「直接触れたり、研究に参加したりできないけれど、自分たちにできる方法で今後もPRしていく」と話している。