中学生が「但馬愛」深める研修旅行 鉱山労働者に思いはせ「地元のすごさ実感」

2021/11/14 05:30

旧生野鉱山職員宿舎「甲社宅」を見学する近畿大付属豊岡中の生徒ら=朝来市生野町口銀谷

 近畿大付属豊岡中学校(兵庫県豊岡市戸牧)の3年生約60人がこのほど、研修旅行で但馬地域を巡った。同県朝来市では生野銀山(同市生野町小野)や神子畑選鉱場跡(同市佐嚢)などを訪れて「鉱山町」の歴史に理解を深め、双子で地域おこし協力隊員として活動する南アフリカ出身のレハン・ネルさん(28)とケビン・ネルさん(28)とも交流した。(竜門和諒、石川 翠) 関連ニュース 「いろんな知識身に付ける」近大豊岡高・池上さん、渡米プログラムに参加 豊岡PRや国連訪問へ 「コリコリ食感が格別」シロイカ生け造り、さばきたて満喫 “繊細な”夏の味、但馬・香住に登場 集合住宅3階の一室で火災、50平方m焼く 住人女性は8カ月ほど不在 香美・香住


 修学旅行は例年東京を訪れていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて都市部への旅行を中止。大半の生徒が四年制大学に進学して地元を離れることもあり、地元但馬への理解を深めてもらおうと、2クラスに分かれて、3泊4日で朝来、養父、豊岡を巡る研修旅行にしたという。
 明延鉱山(同県養父市大屋町)や生野銀山を訪問。ガイドの案内で町中を散策し、鉱石を製錬したときに出る廃棄物を固めた「カラミ石」の石垣など、鉱山町の文化が根付く場所を見て歩いた。旧生野鉱山職員宿舎「甲社宅」では、レハンさんが、今年の夏から運営するゲストハウスを英語で紹介した。
 女子生徒(15)は「明延と生野の鉱山は、とても暗くて狭い環境で死と隣り合わせの仕事だったことがよく分かった」と話していた。
 神子畑選鉱場では明延鉱山から採掘した鉱石を運び込み、粉砕して泥水にしたものをかき回し、スズや銅、亜鉛などに分けていった工程などを説明。ケビンさんは3Dプリンターで土産物などを製作していることなどを紹介した。夜には宿泊施設で2人に質問する場も設けられ、来日した理由や活動内容などを英語で答えた。
 男子生徒(15)は「地元には何もないと決めつけていたけど、鉱山で働いていた人の苦労も実感したし、南アフリカ出身の方とも話せるし、地元のすごさを実感した」と話していた。

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