交通事故で頭を守ってくれたランドセル…「かばん供養」で思い出整理 産地・豊岡で初めて開催

2022/03/13 05:30

使い古したかばんが持ち込まれ、供養が行われた=豊岡市小田井町

 兵庫県豊岡市小田井町の小田井縣(おだいあがた)神社内にある柳の宮神社で12日、「かばん供養」が行われた。業界全体でのSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一環で、祈とうした後に、状態のいいものは再利用、また部品のリサイクルなどを目指す。(丸山桃奈) 関連ニュース かばんのまちだけに…豊岡の「ストリート」にちりばめられた隠れスポット 丈夫でおしゃれ、コーヒー豆袋をバッグに かばん工房とコーヒー専門店がタッグ 思い出のファミリア服がバッグやクッションに変身


 供養は、豊岡鞄(かばん)協会の主催。「思い出が詰まったかばんや財布が捨てられない」との声が寄せられていたことから、愛用品の処分とともに、心の整理を付けてもらおうと企画した。
 この日は、財布やかばんなど計31個が持ち込まれた。その中には、交通事故に遭った児童の頭を守った、ひびだらけのランドセルが。現在36歳になる男性の母親が「息子のためにありがとう」との思いをつづった手紙も添えられていた。
 供養には、関貫久仁郎市長やかばん作りに携わる約20人が参列。稲垣淳宮司(78)が祝詞を上げて、供養の儀式が行われた。同協会の衣川英生会長は「日本一の産地なのに、供養などを行ってこなかった。みなさんの思いを受け止めて、かばん作りにも生かしたい」と話した。
 今後は「財布の日」(3月12日)と「バッグの日」(8月9日)に毎年開催する予定。再利用できるかばんは、途上国への寄付も検討している。
 供養は「豊岡鞄」のホームページやカバンストリートの店舗などで受け付ける。財布や小物、ランドセルは2千円、かばんは大きさにより3千円~4千円。豊岡鞄協会事務局(平日のみ)TEL0796・23・7833

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