日本海眺めながらリモートワークを 移住夫婦が26日にカフェ開業
2022/03/20 05:30
開業に向けて準備を進める小舟美穂さん(左)と夫の翼さん=新温泉町居組
港町のカフェでリモートワークはいかが-。兵庫県新温泉町居組で26日、コワーキングスペースを併設した「ワークカフェコフネヤ」が開業する。昨年8月に神奈川県から同町へ移住した小舟美穂さん(34)=兵庫県三木市出身=と夫の翼さん(30)による取り組みで、地元食材を使った料理や日本海が望める執務スペース、講座などを開けるレンタルスペースなどを提供。「さまざまな分野の人々の交流が生まれる拠点になれば」と準備を進めている。(末吉佳希)
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美穂さんは兵庫県立大経営学部を卒業後、東京のIT企業に就職。2020年にウェブ制作やマーケティングなどを行う経営コンサルタントとして独立した。同年冬に湯村温泉旅館料飲組合が実施した課題解決型のワーケーション事業などで同町を訪れ、地域の活性化策などを提案した。
海や山、豊かな食がそろったまちの魅力に触れるうちに「ここで何かしたい」との思いを強め、移住を決意。新温泉町は祖父母の古里でもあり、幼少期に何度も訪れたことがあったため、「愛着のあるまちへの恩返しの意味も込めた取り組み」という。神奈川と祖父母宅の2拠点生活の中で計画を練る日々が続いた。
新型コロナウイルス禍によるリモートワークの需要増加や「都市部から地方へ」の流れを受け、「気軽に仕事ができるスペースを」と、庭付きの木造平屋の空き家を活用したカフェの開業に踏み切った。
カフェスペースは、縁側から陽光が差す母屋に展開する。「落ち着きのある空間」をコンセプトとした木調の内装が特徴。間仕切りによって1~4区画を確保できるようにした。同町三尾の住民グループが手掛けるスルメイカのこうじ漬けなど、地元の食材を使ったランチやスイーツを飲食店勤務の経験がある翼さんが中心となって提供する。
増築された母屋2階部分にコワーキングスペースとして全6席を設け、窓からは日本海の水平線も臨めるように。「『特別席』で仕事をすれば、自然と効率も良くなる」と美穂さんは笑う。
コワーキングスペースは年中無休で1日1100円。カフェは水-金曜に営業し、水曜と金曜は予約制。今月26日の午前11時半からオープンイベントとして餅まきを行う予定。