「牧場」に放牧された妊娠中の但馬牛、はしゃぎ回る だってそこはスキー場

2022/06/10 05:30

ハチ北高原スキー場に放牧された但馬牛=香美町村岡区大笹

 兵庫県香美町村岡区大笹のハチ北高原スキー場アルペンコースで8日、妊娠中の但馬牛4頭が放牧された。標高約700~950メートルの斜面約2ヘクタールで雑草を食べながら秋まで過ごし、冬の出産に臨むという。(長谷部崇) 関連ニュース <たじまの高校名鑑>(6)但馬農業 食、農…学びを深め 但馬牛に関わる研究も うま味がぎゅう(牛)!但馬でラーメン食べるなら、スープはこれ 朝来の店舗に新メニュー 姫路城や但馬牛、丹波竜も!兵庫の魅力をレゴで再現 県が提案の企画展、15日から神戸で

 ハチ北観光協会が、繁殖と肥育を手掛ける上田畜産(同町小代区神水)に依頼し、昨年から実施。明治初期にあった県営農場にちなんで「大笹牧場」と名付け、一帯を電気柵で囲い、わき水を引いた水場も設けている。
 今年放牧したのは、同社村岡農場(同町村岡区宿)で飼育する「おじろ」「ひろとみ」「きくひろ」「みつてるいち」の4頭で、いずれも12、13歳で妊娠中。トラックから放たれると跳びはねるようにして坂道を駆け回り、雑草をむしゃむしゃと頬張った。
 「はしゃぎ回って喜んでいますね」と同社の上田純也さん(22)。牛を放牧することでスキー場の雑草を刈る手間が省けるほか、牛にとっても運動不足を解消でき、安産につながりやすいという。放牧場の脇には人が歩いて登れるスペースを設けており、ハチ北高原を訪れたキャンパーらも間近で但馬牛を見ることができる。
 場所はアルペンリフトの乗り口前で、10月ごろまで放牧する予定。同協会TEL0796・96・0732

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